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水上浩一ブログ

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売上至上主義は「百害あって一利なし」

2014年1月28日|未分類

水上 浩一です。

あなたはご自身の会社、ショップの当月の売上を評価するとき、なにを基準にしますか?

 1)売上目標(見込み)に対する達成度
 2)昨年対比
 3)先月対比
 4)直近数年間の平均値

が主な指標でしょうか?

(1)は目標であればかなりのストレッチが含まれていると思います。また見込みを策定した場合は、予測の確度がポイントになります。(2)~(4)は過去の実績をベースにした基準値となります。今回はこの中でも特に(2)の昨年対比について考察していきたいと思います。

ある地域のクライアント様。

日報により売上をチェックさせていただいております。先々月は目標売上も未達、さらには昨年対比も未達でした。先月は目標売上は未達だったものの、昨年対比はほんの少しクリアしました。この一連の動きを見ていて、水上は、昨年対比を指標にすることについて、さらに売上目標設定についても見直したらいかがですか、とご提案いたしました。

EC実践会で水上がよく申し上げていることがあります。

ネットショップにおいて、売上が上がった場合は上がったなりの理由が、下がった場合も下がった理由があります。全ての事象には理由があります。その理由には外部要因と内部要因があります。売上が上がった理由については明文化して再現性をもたせるとノウハウになります。売上が下がった理由については、解明すると改善課題になります。

水上が見直しを提案した理由は、「外部要因」の中の特に「市場の成長トレンド」について、きちんと把握した上で事業計画を策定しているか?昨年と今年で市場の成長トレンドに差違が見られないか?という部分の再考察の必要性を感じたからです。

取扱商品等主要なキーワードの検索数トレンドを調べたり、その地域の観光客数を調べた結果、昨年と今年では市場規模が縮小していることがわかったのです。特にネットショップにおいて主要商品にまつわるキーワードの検索数の減少は、イコールアクセス数の減少を予測できます。つまり顧客数が減少することが予測される訳です。

そのトレンドを読み込んだ上で事業計画を策定しているとは思えない強気の売上目標であることが感じ取れたために、予算の下方修正を提案したのです。

さらに、昨年対比との比較についても、昨年と今年とではアクセス数の基本値が異なりますので、昨年対比との比較も無意味になってきます。市場規模がシュリンクしている状況で昨年対比を叫ぶのは、まさに企業は売上を上げ続けなければならない、という「売上至上主義」に陥っている可能性があるのです。

SEMの観点で、たとえば広告の投資対効果を計測する指標に

 ・ROAS(広告費の投資対売上比率)
 ・ROI(広告費の投資対利益比率)

があります。

売上至上主義に陥りますと、とかくROASに比重が置かれがちですが、たとえば利益を無視した値引き販売によってこの指標を急激に上げることができます。売上が上がると経営者は喜びます。スタッフは評価されます。ですから会社全体として売上至上主義に走りがちです。

しかしこのビジネスモデルの行き着くところは「回遊魚経営(通称マグロ経営)」。マグロ、というとなんだか景気の良い話のように聞こえますが、要は売上を上げ続けないと経営が立ちゆかなくなる、という意味です。

安売りで回しているので利益はほとんど出ていませんが、先月よりも売上が上がっているので資金繰りはなんとかなります。さらに売上が上がっているので銀行受けもよく、融資を引き出しやすいのです。
 
でも売上が下がりだした瞬間からキャッシュフローが急激に悪化していきます。利益が出ていないので当たり前ですが。売上が下がると当然銀行も冷ややかになります。経営が悪化していきます。

ですのでこの会社はとにかく売上を上げ続けていかないといけない、売上が落ちると存続できない、という状況。

マグロ経営は売上が落ちると悲惨です。キャッシュがみるみる無くなってきます。これは水上自身が「人気ネットショップ店長セキララ奮闘記」で書いている通り実際に体感しているので間違いありません(^^ゞ

ここからの脱却はとにかく

 ・止血
 ・輸血
 ・造血

です。

止血は、利益の出ていない商品の販売を停止することになります。2万円を1万円で販売する、というようなことをすぐに停止します。

輸血は、悪化したキャッシュフローの応急処置として資金繰りを安定化させるために融資を受けます。しかし売上が下がっている状況での融資はなかなか難しいです。ですから早めに、内部留保が残っている内に手をうつ必要があります。

仕入れ先へのリスケ(支払いの延期等)の要請も場合によっては必要となります。人件費にもメスを入れていかなければならないと思います。すべての経費を見直します。

造血は、一言でいうと「粗利益を生み出すことと在庫を減らすこと」です。利益のしっかりとある商品を販売していくことで企業の栄養素である粗利益が生まれてきます。これをできるだけ増やしていきます。さらにこういうときは不良在庫も多くあると思いますので出来る限り現金化します。

売上至上主義ははっきり言わせていただきますと「百害あって一利なし」なのです。

2011年2月4日 DECメルマガ掲載分