Author Archives: ecjissenkai
ネットショップ運営には経験値が重要
2020年10月3日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営のコツ■ネットショップ運営には「経験値」が重要
「アインシュタインファクター」という本からの引用でラットの実験があり、片方には遊び道具を
たくさん用意してラットに遊ばせます。もう片方にはなにも用意せず、片方の遊びを見せるだけにしたら、
結果遊びが多い方は3歳(人間の歳で90歳)まで生きて、脳も大きくなったそうです。
神経膠細胞(しんけいこうさいぼう)が増えていたからです。そうで無い方はそこまで長生きせずに、
脳の大きさも変わらなかったそうです。というお話をさせていただきました。
「経験値」を積むと、神経膠細胞(しんけいこうさいぼう)が増えていきます。
つまり頭は後天的に成長する、ということになります。実際にアインシュタインの脳を調査したところ
神経膠細胞(しんけいこうさいぼう)が通常の人間よりも多かったそうです。
それって後天的に頭が良くなる、っていうことの証明だと思います。
ですから「経験値」を積み上げていくことで、人の頭はどんどん良くなっていくと言い換えられると
思います。
この「経験値」を楽しく増やして行くということを考えたとき「ゲーム」を思い出したのです。
ドラクエも経験値を積み上げていくと強くなるし、経験値を積んだら転職もできるし呪文も唱えられる
わけです。
たとえばお肉屋さんの企画で「厚切り牛肉のステーキ角切り」というのが合った場合、ホテルの鉄板焼き屋
さんの経験があれば「ホテルの高級鉄板焼き屋さんの味をご家庭で」とコピーライティングできる
ことになります。
これは贅沢をしましょう、ということを申し上げている訳ではなく、アロマ商材を検討しているのであれば、
百貨店のアロマコーナーをのぞいてみたり、テレビ番組で紹介されている銀座のお店に行って、
買い物体験をして、実際にユーザーの立場として、どういうところで商品選びに迷うか?とか、
逆にどういうところで「これだ!」と思うか?といったところをチェックしていくのは
とても重要なことです。
こういった「経験値」の蓄積が「アイディアの引き出し」になっていくのだと思います。
アイディアの引き出しは多ければ多いほど多彩な発想ができます。
ジェームズ・W・ヤングの「アイディアの作り方」にも
「アイディアとは要素と要素の組み合わせ以外の何物でも無い」と記載があります。
つまりアイディアは0から1を生み出すものでは無くて、1+1=2以上の価値を創出するもの、
と定義しているのだと考えます。
この「経験値」の積み重ねによってのみ、われわれは成長していけるのだと思います。
しかもこの経験値はラットの実験を見ても分かるとおり2次情報
(書籍を読んだり、記事を読んだり人から聞いた情報)よりも1次情報
(実際に自分自身で体験して入手した情報)の蓄積が重要なのです。
個人的には、無目的な遊びの体験が仕事に結びつくことが多いように感じます。
実際に以前インタビューしたロボットデザイナーの方も「自分にはオンとオフの境界線は存在しない。
映画を見ていても『あ、このシーン、新しいロボットのデザインに使えるな』といった形で
常に仕事に結びついてしまうのです」とおっしゃっていました。
物流や内部業務の内製・外製の意思決定(4)
2020年9月27日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営について■ネットショップ 物流や内部業務の内製・外製の意思決定(4)
ネットショップにおいて、バリューチェーンでボトルネックが発生する可能性があるのが
「在庫・出荷」の部分です。
ここを内製化するか、外製(外注・アウトソーシング)するかの判断は非常に難しく、
これまでEC実践会でも多くの店舗さんが苦労されてきました。
ここではその意思決定の判断材料となればと考え、いくつかの事例をご紹介させていただいます。
この意思決定には正直、正解は存在しないと思います。
今回もフレームワークを紹介させていただきますが、かならずどちらを選択したにしても不測の事態が
発生するため、予測が不可能だからです。
<フレームワーク>
——————————————————-
内製/外製の判断は、「オペレーション」と「経営戦略」の2軸で考えるとわかりやすい
●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?
●経営戦略の観点から考える
この業務は会社にとって、コア・コンピタンスか?
——————————————————-
美容健康系商材の製造・販売ネットショップの
顧客対応・在庫・出荷
●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?
1)B2Bの出荷については、小売店への発送となり、オペレーションが煩雑になり、効率化が難しい。
そのためアウトソーシングするのに外注先への指導の長期化が予測。
2)B2Cの出荷については、商品数もそれほど多く無く、同梱物も限定されているので
オペレーション的にはアウトソーシングした方がコストが軽減される。また新商品のリリースも予定されて
いたため、今後のB2Cの注文数が増加することが予測。
スタッフ人数を増やすかアウトソーシングかの経営判断となる。
3)電話対応もすれば売上が上がることが見込めたが、そのためにはスタッフ数を増やさなければならず、
少人数体制での店舗運営が不可能になってしまう。そのため電話対応をしっかり行うことではなく、
ウェブサイト上のコンテンツのクオリティを上げることで電話をしなくてもよい状態に持って行くことを
着想。
●経営戦略の観点から考える
コア・コンピタンスか?
→コアコンピタンスでは無い。
ただし、B2Bは、オペレーションが煩雑なため、これまで通り内製化で出荷を行うことにした。
人員はこれまでいた人数で十分まかなうことが可能。
B2Cは、外部の方がValue(コスト・スピード・正確性)すべてにおいて勝っている。
なおかつ経営者の少人数体制での店舗運営が可能なため、実施。完全移行。
そのタイミングで販促企画が当たり、一気に売上が上がり、内製していたら出荷しきれなかったほどの
受注があったが、をアウトソーシングしていたため、難なくさばくことが出来た。
物流や内部業務の内製・外製の意思決定(3)
2020年9月20日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営について■ネットショップ 物流や内部業務の内製・外製の意思決定(3)
ネットショップにおいて、バリューチェーンでボトルネックが発生する可能性があるのが
「在庫・出荷」の部分です。
ここを内製化するか、外製(外注・アウトソーシング)するかの判断は非常に難しく、
これまでEC実践会でも多くの店舗さんが苦労されてきました。
ここではその意思決定の判断材料となればと考え、いくつかの事例をご紹介させていただいます。
この意思決定には正直、正解は存在しないと思います。
今回もフレームワークを紹介させていただきますが、かならずどちらを選択したにしても不測の事態が
発生するため、予測が不可能だからです。
<フレームワーク>
——————————————————-
内製/外製の判断は、「オペレーション」と「経営戦略」の2軸で考えるとわかりやすい
●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?
●経営戦略の観点から考える
この業務は会社にとって、コア・コンピタンスか?
——————————————————-
型番検索型セレクトショップの
在庫・検品・出荷
●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?
1)手書きのメッセージの同梱物を重視、ユーザーからも評判がよかったため、
継続できることが前提条件だった。
2)商品点数が数万点あり、オペレーション的にアウトソーシングできるか疑問。
以上の理由から当初は、内製を選択。
ところが、売上が当初の数倍規模で増加。とても現状のスペースと人員では対応できないことが判明。
いろいろ検討した結果、アウトソーシングを決断。
(1)に関しては、当初から名前だけを手書きにしていたので、名前無しで手書きの印刷物を
同梱することにした。
(2)システム導入によって対応可能。POSの導入。
(3)全体的に人件費の増額分、倉庫スペース、作業スペースの増床分を考慮するとコストは
アウトソーシングした方が下がると試算。
●経営戦略の観点から考える
コア・コンピタンスか?
セレクトショップのため、コア・コンピタンスとしては、品揃えとリピーターに対するサポートを
重視していたが、システム化によって同等のサービスが提供できると予測。
アウトソーシングに踏みきった。
【結果】数年でアウトソーシング→内製化に戻した。
(1)やはり手書きの名前入りメッセージの方がリピート率がUPすることが判明。
(2)アウトソーシングから内製に戻すときに倉庫をかなり大きく増築。ところが、外注先の倉庫から
在庫を戻してみると、見込みよりも相当数、多い量が入荷した。
この結果、在庫は目視しないと実態がつかめないことを認識。(非常に重要な指摘)
(3)アウトソーシングしてもコストは全く変わらなかったことは誤算だったが、アウトソーシング先で
使っていた受注在庫管理システムは非常に使い勝手がよかったため、内製化したときにも同じシステムを
使用することにした。この点はアウトソーシングしたメリットと考えています。
オペレーションのことを外製と内製を両方経験することでかなり深く理解することができたことは収穫。
在庫が増えた原因の一つである発注についても
・発注点の明確化
・交叉比率を活用したキャッシュを生まない在庫の一掃
等を実施したため、現在では安定した在庫、運営を実現。
物流や内部業務の内製・外製の意思決定(2)
2020年9月13日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営について■ネットショップ 物流や内部業務の内製・外製の意思決定(2)
ネットショップにおいて、バリューチェーンでボトルネックが発生する可能性があるのが
「在庫・出荷」の部分です。
ここを内製化するか、外製(外注・アウトソーシング)するかの判断は非常に難しく、
これまでEC実践会でも多くの店舗さんが苦労されてきました。
ここではその意思決定の判断材料となればと考え、いくつかの事例をご紹介させていただいます。
この意思決定には正直、正解は存在しないと思います。
今回もフレームワークを紹介させていただきますが、かならずどちらを選択したにしても不測の事態が
発生するため、予測が不可能だからです。
<フレームワーク>
——————————————————-
内製/外製の判断は、「オペレーション」と「経営戦略」の2軸で考えるとわかりやすい
●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?
●経営戦略の観点から考える
この業務は会社にとって、コア・コンピタンスか?
——————————————————-
ファッションジャンルのネットショップの
在庫・検品・検針・アイロンがけ・発送作業
当初内製化も売上が上がるに従い、在庫・検品・検針・アイロンがけ・発送作業が
ボトルネックになってきた。
そこで外製化を実施(アウトソーシング)
ところが、
・オペレーションが実際はうまくいかなかった。
・お客様からの連絡で午後の注文での当日出荷が多発した。
(内製のときはできた対応が、外製になると午前中分しか当日出荷ができなかった)
【結果】内製に戻した。
●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?
→出せなかった。
→アウトソーシングは1日の出荷数に限界があり、その限界点は到底容認できる数字ではなかった。
●経営戦略の観点から考える
コア・コンピタンスか?
→コア・コンピタンスでは無いが、ユーザーの要求として午後の注文の即日発送という需要が予想以上に
多かった。パーティードレスは緊急性の高い商品だった。
→競合他社はほとんどがアウトソーシングしており、午前中の注文までしか当日出荷ができなかった。
これを内製にすることで午後4時までの注文分を当日出荷が可能となった。お昼12時から午後4時までの
4時間はこのネットショップで購入するしか当日出荷できないことに。
「差別化」となり、受注が増えた。
内製によって、コア・コンピタンスまででは無いが、対競合対策と、差別化を実現できた。
物流や内部業務の内製・外製の意思決定(1)
2020年9月6日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営について■ネットショップ 物流や内部業務の内製・外製の意思決定(1)
ネットショップにおいて、バリューチェーンでボトルネックが発生する可能性があるのが
「在庫・出荷」の部分です。
ここを内製化するか、外製(外注・アウトソーシング)するかの判断は非常に難しく、
これまでEC実践会でも多くの店舗さんが苦労されてきました。
ここではその意思決定の判断材料となればと考え、いくつかの事例をご紹介させていただいます。
この意思決定には正直、正解は存在しないと思います。
今回もフレームワークを紹介させていただきますが、かならずどちらを選択したにしても不測の事態が
発生するため、予測が不可能だからです。
<フレームワーク>
——————————————————-
内製/外製の判断は、「オペレーション」と「経営戦略」の2軸で考えるとわかりやすい
●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?
●経営戦略の観点から考える
この業務は会社にとって、コア・コンピタンスか?
——————————————————-
<事例研究>
健康食品サプリのネットショップの
電話対応・在庫・出荷
●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?
サプリは長期在庫が可能で、常温保存も可能なため、在庫管理が容易
商品数も少なく、オペレーションも比較的容易。
売上が上がってきたため、少人数体制では残業が発生する可能性が出てきた。
→通常の考え方では、アウトソーシングした方がボトルネックの解消になる。
【結果】内製を継続
●経営戦略の観点から考える
コア・コンピタンスか?
→この会社のコア・コンピタンスは、サプリの主要原材料の製造ノウハウにある。
その観点からはコア・コンピタンスとは言えないが、もう一つの考え方として、経営者がサプリの
効果・効能については非常に詳しい。電話でのサポートには定評がある。
またメインターゲットがシニア層のため、
インターネットリテラシーが低く、電話注文が多く、電話サポートは本当に重宝され、
またブログ記事でも様々な内容が書かれておりユーザーの参考になっている。
また、夕方電話してきたユーザーに対応したあと、17時までは当日出荷可能のため、そのお客様の荷物を
当日出荷すると、早い場合は翌日の午前中に到着する。すると、前日の夕方、電話相談したユーザーの元へ
翌日午前中に荷物が到着すると大変感動されるそうです。
こういったブランドの観点からコア・コンピタンスに近いと考えられるため、内製を継続しているそうです。
EC担当者が陥りがちな罠(6)手法が目的になってしまっていないか?
2020年8月29日| EC担当者が陥りがちな罠, Webマーケティング, You Tube■EC担当者が陥りがちな罠(6)手法が目的になってしまっていないか?
EC実践会でもネットショップ運営における「手法」を数多くお伝えしています。
それらの中には即効性の高い手法も含まれています。
しかし、それはあくまで「戦術」「戦略」があってこその手法であり、手法を行うことが
目的になっては本末転倒になってしまいます。
たとえば同梱物に「手書きのメッセージを添えましょう」というのがあります。
ある型番商品のセレクトショップさんは、ネットショップでの買い物はどうしても
「無機的」「事務的」になってしまう傾向があり、当時インターネットモールのみの出店だった
そのショップの店長さんは、このままでは他のショップに埋もれてしまう。
なんとかお客様の心の「引っかかり」を作ることはできないだろうか?と考えていたそうです。
そのとき思い出したのが年賀状だそうで、最近はみなさんパソコンで綺麗なビジュアルを作成して、
宛名もタックシールで出力したものがほとんどですよね。
そんな中、手書きの毛筆の年賀状があったんです。
これがめちゃくちゃ目立っていて、嬉しかったことを思い出しました。
そこで「これだ」と思い、手書きのメッセージを入れることを思いつきました。
それでどんなことを書いたらよいか?と考えていたのですが、どうせだったらお客様を表彰してしまったら
どうか?と考えて「感謝状」を贈ることにしました。
これが好評でリピーターが増加したとのことです。
この事例をEC実践会ではお伝えしているのですが、あくまで目的は「リピーター集客」です。
ところがこの手法にこだわってしまい、リピート性が低い商材のショップさんが
「手書きのメッセージを同梱しているのですが、結構大変なんです。継続した方がよいでしょうか?」
と相談されました。このショップさんはお客様によかれと思って手書きのメッセージを
継続されていますが、リピート性の低い商材ではリピーター集客手法である手書きのメッセージを
同梱しても効果は限定できだと思います。目的あっての手法なのですが、
どうやら手法を目的化してしまっているようでした。
SEOも同様で、たとえばtitleタグやhタグはページに何が書いてあるか?を伝える重要なタグです。
また複数ページの改修を行った場合やブログ記事をいくつも更新した場合は、
Google Search Consoleからサイトマップの送信、再送信を行うことも重要な手法です。
サイトマップの送信はあくまでGoogleに更新内容や新しいコンテンツのURLを伝えることで
Googlebotにクロールを促すことが目的です。つまりSEOです。
しかし、たとえばmeta descriptionタグなどの重要なタグではありますがSEOには直接関係の無い
(と思われる)タグを更新したときや細かいh3タグを修正したときにまでサイトマップの送信を
行う必要があるか?といえばそこまでの必要性は感じません。
しかし、ここでも手法が目的になってしまい「どんなことでも、少しでもページを修正したら
サイトマップの送信を行わなければならない」と思ってしまうケースもあります。
あくまでSEOに効果的な改修や追加の場合にサイトマップの送信は行うのが通常の使い方であり、
サイトマップの送信、再送信を行うことがSEOに効果的な訳ではありません。
あくまで手法は目的があってのものであり、手法が目的にならないように注意しましょう。
ネットショップ担当者が陥りがちな罠(5)集客施策に緩急をつけよう
2020年8月22日| EC担当者が陥りがちな罠, Webマーケティング, You Tube■EC担当者が陥りがちな罠(5)集客施策、緩急を使い分けよう!
こんにちは。
EC実践会講師の水上 浩一です。
今回は「EC担当者が陥りがちな罠(5)集客施策、緩急を使い分けよう!」について
お話をさせていただきます。
EC実践会では「アクセスアップ・マトリクス」というツールを使って、アクセス数を上げる施策を
4つに分類しています。
1)費用が低くて、効果がゆっくりな施策
2)費用が低くて、効果が早めな施策
3)費用がある程度かかり、効果が早めな施策
4)費用がある程度かかり、効果がゆっくり、またはCVRが低い施策(アクセスは上がる)このうち
(4)はネット広告の中でもマス広告に近いディスプレイ系の広告であり、
ある程度のコストをかけないと成果に結びつかない、もしくは認知度が高まらない施策となりますので、
優先順位の高い(1)~(3)をまずはしっかり実施して、そのあとで(4)に取り組むのがよいと
考えています。
コツとしては、(1)~(3)を満遍なく実施することです。
たとえば(1)「サイト内ブログ」を運用しながら、(2)カテゴリページのコンテンツを充実させたり
タグの調整を行い(3)リスティング広告を運用する、といった具合です。
ところが、中には「アクセスアップ・マトリクスに書いてあることを実施しているのですが、
アクセス数が一向に上がりません!どうしたらよいでしょうか?」
という相談をいただきます。そこで「どんな施策を実施しているのですか?」とお聞きすると
「はい!サイト内ブログを毎日アップしています!」とお答えになったので
「他にはどんな集客施策を実施されているのですか?」と伺うと「いえ!ブログに週中しています!」
との返答。
確かに現在、サイト内ブログは
Googleの「コア・アップデート」によりブログの重要性がさらにアップしているのですが、
アクセス数が少ないネットショップではブログ記事を上げたとしてもSEOの効果は限定的な場合が多く、
大抵は検索順位が上がらずアクセス数も上がらない場合が多いのです。
最近の事例ですが、ほとんど売上が無かったネットショップさんが、担当者が代わり、
メルマガを配信したところ、ファンの方々が反応して、1通でこれまでの月商分を売上てしまった、
ということが起こりました。そのあともその新しい担当者さんは、Facebook等でも
積極的に情報発信を行い、売上を伸ばしていきました。リスティング広告も運用開始しました。
すると不思議なもので検索順位も上がってきたのです。
ビッグキーワードで過去最高位まで上がっています。
もちろんこれからさらに上げて行く必要はありますが、このように集客施策の反応は連動することが
多いのです。
是非(1)~(3)を満遍なく実施してバランスのよい、転換率の高いアクセスアップを実現してください!
ネットショップ担当者が陥りがちな罠(4)バックヤードキャパと売上アップのトレードオフ
2020年8月15日| EC担当者が陥りがちな罠, Webマーケティング, You Tube■EC担当者が陥りがちな罠(4)バックヤードキャパと売上UPのトレードオフ
売上を上げると、当たり前の話ですが、受注処理業務が増え増す。出荷が増えます。
メーカーさんの場合は製造現場も仕事が増えます。原材料も多く発注する必要があります。
商品を仕入れている場合は仕入れ量が増えます。必然的にキャッシュフローの問題も出てきます。
これらをまとめて今回はバックヤードと呼ぶことにします。
売上アップが10%~20%だったら「がんばります」レベルで対応も可能だと思いますが、
売上アップが2倍3倍4倍となると話は変わってきます。
しかし、ネットショップにおいてはそういった急激な売上アップが起こる可能性が実店舗よりも高いのです。
なぜなら商圏が日本国中だからです。人口10万人の地域で実店舗を運営している場合、
1%が顧客とすると1000人ですが、お客様が10%増えると言うことは100人増えることになります。
しかしそれが100万人レベルの商圏になるのがネットショップなのです。1%で1万人、
お客様が10%増えるということは1000人増加することになるのです。
これは実はネットショップでは実際に起こります。
「当店は売上はいくら増えても大丈夫です!おもいっきり上げてください!」
とおっしゃるネットショップさんに限って、本当に売上が4倍になると、とたんにバックヤードが
悲鳴を上げます。メーカーさんの場合まず崩壊するのが製造現場です。
たとえばお肉屋さんの場合、肉を切るという作業は思った以上に重労働なのです。
月商100万円だったお店が500万円になると、肉を切る作業者が1名の場合、
一晩中切り続けても間に合うかどうかわかりません。その作業者さんが社長だった場合、
売上は上げたいけれど、売上を上げると夜通し肉を切らなければならない、
という膨大な作業が待ち受けることになり、気がつくと売上が落ちていることがよくあります。
これは経営者としては売上アップは望ましいのですが、肉を切る作業者としては体力が持ちませんので、
苦痛を伴っていきます。一人の人間で相反する心理状態に陥るので精神的にアクセルとブレーキを
同時に踏んでいる状態になり、500万円だった売上がいつのまにか300万円、250万円と
落ちていきます。
ある日本の伝統工芸品のネットショップさんも売上がほとんど無いのでまずは月50万円を目指して
経費を捻出したいです、とおっしゃったのですが、一つ一つの商品が手作りで
さらに加工難度が非常に高く、8万円の商品の場合、月に2個しか作ることができず、
600円の小さな商品でも300個が限界、つまりこのお店の場合、上代16万円が生産量の限界
だったのです。それで月50万円売りたい、とおっしゃっていたことになります。
これを「バックヤードキャパと売上UPのトレードオフ」問題と呼んでいます。
問題解決には、バックヤードキャパシティの「ボトルネック」を見つけてそこを解決していく
ことになります。
たとえばお肉屋さんの場合は、お肉を仕入れる段階である程度カットしてもらう、
もしくは作業員を増員することでボトルネックを解消することになります。
日本の伝統工芸品のショップの場合は、増員するにも加工難度が高く、新人を増員しても
半年間は育成期間がかかるためすぐには増員できないというボトルネックも存在しました。
そこでバリューチェーンの中の製造工程をユーザーに委ねる、という「キット販売」をすることで
それらのボトルネックを解消することができたのです。
ネットショップ担当者が陥りがちな罠(3)ビジネスインパクトの小さな数字にこだわる
2020年8月8日| EC担当者が陥りがちな罠, Webマーケティング, You Tube■EC担当者が陥りがちな罠(3)インパクトの小さい数字にこだわってしまう?
ネットショップ運営は専門用語が数多くあり、重要度が高いものと認識されています。
たとえばSEOは、検索エンジンからの集客において非常に重要ですし、CPAやROAS、売上高広告費率は、
広告運用では指標として欠かせません。
こうした専門用語の一つに「かご落ち率」があります。
たとえば「カートに入ったユーザーの33.4%しか決済に向かわない、つまりかご落ち率66.6%」
といった具合です。
カートに商品を入れたユーザーの66.6%、つまり2/3はかご落ちしている計算になります。
これはかなり衝撃的な数字です。
かご落ち率の改善ができたら、相当売上UPできそうな感じがします。
しかし、このかご落ち率は実はビジネス・インパクトの小さい数字であり、改善には
2つの理由でEC実践会では消極的です。
一つ目は、かご落ち率は確かに重要な指標であり、ないがしろにするつもりはありません。
しかし、ではどうやって改善するか?というと、かご落ち率が高まる最も多い理由は
「決済直前で金額が大きくなってビックリして離脱した」というものなのです。
決済直前で金額が大きくなる要因は、送料と消費税、代引き手数料等が考えられます。
たとえば商品価格が3,980円だったとして、クール便の送料が1,300円、代引き手数料が330円(税込)だと
すると、カートに入れたときの商品代金は3,980円だったのですが、これらが加算されると、
なんと支払合計金額は6,008円になってしまいます。
これは実際に私が受講者さんの目の前で購入したときに起こりました。
店長さんを目の前にして危うくかご落ちしそうになったことを覚えています。
これは極端な事例ですが、このようにカートに入れた商品代金が決済する直前に上がってしまうと
ユーザーは急に覚めてしまい、買い物を辞めてしまうことが良くあります。
これは対策としては「税込価格にする」「送料込み価格にする」
「送料込みセットを用意して同梱してもらう」といった施策が考えられます。
しかし、他の部分はたとえばSAASを利用している場合ですと、店舗側で改善できるところは
かなり限定されていると思います。
せいぜい、決済方法にAmazonペイ等の楽ちんな決済方法を導入する等で、ユーザーの入力の手間や、
タップ数の軽減をする、ということぐらいだと思います。
二つ目の理由は、カートに商品を入れたユーザーの66.6%がかご落ちしている、と申し上げると
インパクトが大きそうに聞こえますが、実はその前にもっとビジネス・インパクトの大きい数字が
控えているのです。
たとえば、拡張eコマース機能を使ってユーザーのショッピング行動を分析するとわかりますが、
ネットショップへ来訪したすべてのユーザーの内、カートへ商品を入れるユーザーは全体の2.99%しか
いません。実に来訪ユーザーの97.01%はカートに商品を入れずにサイトを離脱しているのです。
カートに商品を入れたユーザーの66.6%、つまり2/3はかご落ちしている、というのは
この2.99%のユーザーの内の2/3である点に注意してください。これで転換率は1%です。
ですからビジネス・インパクトの観点から考えると、すべてのセッションの2.99%の2/3が離脱するのを
どうやったら1ポイント改善できるか?を考えるよりも、すべてのセッション、
たとえばあるネットショップでは月間14万4千セッションありましたが、
カートへ商品を入れたユーザーは4,300しかいませんでした。2.99%です。
この離脱した97.01%のユーザーをどうしたら1ポイント改善できるか?を考えた方が、
かご落ち率の改善1ポイントは、43セッション分ですが、すべてのユーザーの1ポイントをどうやったら
カートに向かわせて購入させるか?つまり全体の転換率を考えると、1440セッション分を購入者に
転換させることが可能となります。33.4倍のビジネス・インパクトとなるのです。
実際に以前にも説明したビッグキーワードで検索順位1位になっているインデックスページの転換率を
0.02%から0.23%に改善することで倍率11.5倍、客単価もアップしたので
月間100万円の売上UPにつながったのです。
ネットショップ担当者が陥りがちな罠(2)常にSEOが最優先施策か
2020年8月1日| EC担当者が陥りがちな罠, Webマーケティング, You Tube■EC担当者が陥りがちな罠(2)常にSEOが最優先施策か?
SEOは自社ECサイトにおいては特に重要な集客施策です。
以前も自社ECサイトの立地は、山奥の1軒屋、無人島に出店しているようなものです、
と申し上げた通りです。しかも無人島には橋がかけられていない状態なのです。
この橋に当たるのが検索エンジン、Googleのインデックスであり、SEOによる検索順位の上昇なのです。
ですから優先順位の高い集客施策であることは間違いありません。
しかしだからといって常にSEOだけを考えればよいか?というとそんなことはありません。
たとえば、こんな事例がありました。
ある型番商品のセレクトショップさんは、ブログの記事がGoogleに評価されていて、
いくつものキーワードで1位、もしくは5位以内を獲得していました。
ところがそのブログ記事を入口とするセッションからはほぼコンバージョンがありませんでした。
つまりそのページの転換率が極めて低かったのです。
しかし、EC担当者さんは、それらのページには見向きもせずに、別のキーワードを持つカテゴリページや、
ブログ記事にてこ入れをして、検索順位を上げようとがんばっていたのです。
そこで、こんな事例をお話させていただきました。
「ある型番商品のセレクトショップさんでは、月間平均検索数数万回のビッグキーワードで1位に
ランクインしていました。ところがそのインデックスされているコンテンツページの転換率が0.02%
しか無く、5万円ぐらいの売上しかありませんでした。
コンテンツページは通常転換率は非常に低くなります。たとえば「ネクタイ結び方」のページでは、
その来訪ユーザーはすでににネクタイを持っていて、結び方を知りたいと思って来訪しただけなので、
購入意欲はきわめて低いことが予測できます。
しかし、そのEC担当者さんは、顧客インサイト分析を徹底的に行いました。
そしてその商品を「買わない理由」を突き止め、ページを改修しました。
すると、0.02%だった転換率が0.23%に改善したのです。非常に低い数字から低い数字への改善ですが
倍率にして11.5倍です。
結果的にそのページからの売上は5万円からなんと100万円になりました。
コンテンツページは売れるページに改修できることを実証されたのです。
このように、ビッグキーワードで検索順位が1位、もしくは上位にインデックスされているページの改修を
行うことは非常にビジネス・インパクトの大きい施策と言えると思います。
ですから、他のキーワードで検索順位を上げることも、もちろん重要ですが、
いまのあなたのネットショップの最優先課題はSEOでは無くて、検索順位が上がっているページの
転換率を上げることだと思います。先ほどの事例は転換率を0.02%から0.23%に上げただけで、
売上が5万円から100万円になったのです。是非がんばってください」
するとそのEC担当者さんは、目を輝かせておっしゃいました。
「いままでのページではいくら検索順位が上がっても売上につながらないので、
キーワードが悪いんじゃないのか?カテゴリが悪いんじゃないのか?とばかり思ってしまい、
違うキーワードでのSEOばかりに目が行っていました。
しかし、そうやって顧客インサイトを分析したページの改修を行うことで100万円も売上を上げることが
できるんですね。たった1ページ修正しただけで!これをビジネス・インパクトと言うんですね。
勇気をもらいました。見ていてください!きっと成果を出してみせます!」
その方は施策の優先順位と、ページの改修の方向性を転換することができて見事に成果を出され、
月商は毎月前年対比を上回っています。