Author Archives: ecjissenkai
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:鉄リサイクル企業
2015年12月23日| ランチェスター戦略信頼感のあるページデザインと情報発信で問合せ数20倍の月間400件!
経常利益500%アップした企業様の事例をご紹介いたします。この企業様はネットショップではなく、
インターネットを活用して「問合せ」をいただくモデルとなります。
名古屋の鉄リサイクル業の企業様のインターネット・マーケティング事例です。
鉄リサイクル業というのは、たとえば自動車を製造している工場では鉄を削って部品を作ります。
そうすると鉄の削りカスがたくさんでます。
その削りカスを買い取り回収して鉄材として再活用してもらうために転売する、
というリサイクル業です。
不要な金属製品も同様にリサイクルすることができます。
順調に経営していた鉄リサイクル企業をリーマンショックがおそいました。
あのトヨタですら、その翌年には赤字に転落したぐらいです。
その結果、国内で生産していてはとてもコストが見合わない状態となってしまいました。
景気が悪くなり、国内の生産工場が次々と閉鎖、海外移転していきました。
つまり、鉄の削りカスが出なくなってしまったのです。
鉄リサイクル業にとっては「商品」が市場から消滅してしまったことになります。
富士フイルムさんの「本業消失」ではありませんがまさにそんな状態です。
鉄リサイクル企業さんは大きなダメージを受けます。
社長さんは、その危機を乗り越えようと必死に勉強しました。
しかし、一向に成果は上がりません。
企業理念も策定しました。
社員教育も行いました。
電話対応にも磨きをかけました。
チラシを何度となく周辺にまきました。
しかし成果はほどんど上がりませんでした。
なぜか?
山下商店の経営上の問題点が企業理念の策定でも社員教育でも、ましてや電話対応でもなかったからです。
勉強したり社員教育をすることが悪い訳ではありません。
問題点が違ったため、それら勉強、社員教育が問題解決になっていなかったのです。
では何が問題点だったのかといいますと、実は「信頼感」だったのです。
ホームページで説明しましょう。
リニューアル前のトップページのファーストビュー(ページに訪問して最初に見える部分)は社長さんが
鉄くず満載のトラックに乗っていて、窓から顔を出しているイラストがメインとなっています。
一見色合いも綺麗ですし、イラストもプロが書いていると思われる仕上がりです。
でも、このページを見て「鉄くずのリサイクルを頼もう」と思うでしょうか?
イラストを用いる効能もあります。
それは、親しみを感じやすい、ということです。
山下さん自身を面白く描くことでフレンドリーに感じてもらえる、という効果はあると思います。
でも、このページに来訪するユーザーはそれを望んでいるのでしょうか?
<成果のポイントは?>
そもそもこのページのターゲットはどんな方でしょうか?
・出来るだけ早く回収してほしい。
・しっかりと回収日時を守って欲しい。
・回収後の後片付けが不安。
と思っている方、つまり以前別の鉄リサイクル会社さんにお願いしてこれらの要素で不満があった方、
ということが予測できます。
そういったターゲットに対してフレンドリーさは必要でしょうか?
むしろ
・できるだけ早く回収に伺います。
・天候や配送状況にはよりますが最短30分でお伺いします。
・回収後の仕上げ(掃除)が綺麗です。
といった部分をアピールすることによる「信頼感」が重要なのではないか。
さらには、
・鉄回収買い取り創業50余年
・165,300件の引き取り実績
等の数字による信頼感も目立つように表記した方がよいのではないか?
そう思った山下さんは思い切ってホームページをリニューアルしたのです。
イラストをバッサリ切り捨ててしまったので、見た目はリニューアル前よりも
だいぶ地味になってしまいましたが、逆に伝えたい「信頼感」の部分は大きく目立つこととなりました。
このリニューアルが奏功し、問合せ件数はリニューアル前の20倍以上に激増しました。
月間問合せ数20件が、なんと400件超となったのです。
そうなるといままで行っていた施策がかみ合ってきました。
電話対応や社員教育に力を入れていたので、問合せしてきた方や訪問してきた方から
高評価をいただくようになったのです。
実際に電話してみて、訪問してみてホームページに偽り無し、と思ってくださり
信頼いただくことができたのです。
これまで点でしかなかった勉強や施策が「バチバチッ」とつながった瞬間です。
経常利益が500%アップするのにはそこからそれほど時間はかかりませんでした。
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:安全靴店
2015年12月23日| ランチェスター戦略手書きの感謝状を同梱で共感創出!
月商4000万円を達成した安全靴ショップの事例をご紹介します。
販売には「共感」が重要です。
共感には、
1,人に対する共感、
2.商品に対する共感、
3.会社・お店に対する共感
の3種類があります。
母体は地域に特化した老舗の金物屋さんで、ネジ、ドリルなどといった土木建設資材の販売が
主な事業となっています。
ネットショップは店長を中心に個性的なスタッフさん達が抜群のチームワークで運営しています。
主力商品は「安全靴」。
共感を創出することは極めて難しい商品です。
安全性という機能に特化した消耗品だからです。
そこで店長さんは「接客」を重視しました。
安全靴とはいえ、ユーザーはより格好良いものを探している。
そういったニーズに電話やメールで徹底的に対応しています。
ユーザーの気に入った商品が欠品していたときには、すかさず代替商品の提案もします。
そうやってユーザー一人一人に対してきめの細かいサービスを提供することで
いまでは多くのリピーターが楽しく安全靴を購入しています。
きめの細かさは、接客だけではありません。
たとえば梱包。
通常だったらすでに靴箱に入っているので、そのまま袋かなにかに入れて出荷すれば良いと思います。
しかし、このショップさんでは、クラフト紙で丁寧にキャラメル包装して出荷するのです。
しかも折り目までしっかりと丁寧に。
さらにすごいのは同梱物です。
包装紙をとり、靴箱を開けると、そこにまず目に入ってくるのが黄色い紙に手書きで書かれた「感謝状」。
手書きを印刷しているのかな?
と思ったらなんと冒頭に購入者の名前が入ってるではありませんか!
しかもその文字には墨のムラがあります。聞くと名前だけ手書きとのこと。
その他の文面も同様の筆文字で書かれているので、全文手書きか?と間違うほどの完成度です。
この仕組みは手書きのぬくもりと効率化を共存させた良い施策だと思います。
手書きのメッセージはユーザーとしては嬉しいものですが、店舗側からしてみれば、
かなりの作業負担になります。
しかも毎日相当な件数出荷しているので、いくらお客様が感動するから、
といってすべて手書きにしていたらそれは逆に非効率になってしまいます。
その中間のうまい落としどころが
「名前だけ手書き」+「手書きの本文(印刷)」
だと思いました。
冒頭にはこう書いてあります。
「この度は当店をご利用くださいまして誠にありがとうござい□(マス)!!
本当に嬉しいので勝手に感謝状をお送りいたします。
お買い上げいただいた商品はいかがですか?
この商品で少しでもあなた様が幸せ∞(無限大)になれたら私達はとっても幸せです!!・・・」
<成果のポイントは?>
感謝状の裏面には店舗の解説書というイラスト付きのスタッフ紹介(納品時では9名)が
書かれていました。
納品書を挟んでその下にはピンクの紙でニュースレターが入っていました。
いろいろな商品紹介、お客様の声、新人スタッフ紹介、裏面は店長オススメのDVD、
スタッフの思い出話、編集後記が書かれています。
4枚目には各種注意事項や返品交換規定等が書かれています。
裏面にはスタッフの顔のイラストと共に、
「お客様の大切な商品を私達が心を込めて梱包させていただきました!!」
と書かれており、下段には10の企業理念も掲載されています。
店長さんに伺ったところ、この同梱物は順番も色もきちんと決めているそうです。
そして靴箱のフタを開けた瞬間に感謝状が見えるように設計されているとのこと。
そして印刷物以外にも、なんとオリジナルの店舗名が入っているキャンディが同梱されていました。
おそらく金太郎飴のように作られているのだと思いますが、店名が飴に練り込まれています。
ちょっとした気遣いですが、印刷物だけが入っているのと比べると明らかに違った
「ほのぼの」とした気持ちにさせられる、そんな同梱物だと思いました。
型番商品の販売において「接客」で共感を創出、月商4000万円の店舗に成長しています。
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:生花生産直売店
2015年12月23日| ランチェスター戦略「共感プロフィール」を商品ページに挿入、購入転換率29.7%を実現した洋蘭生産販売ショップの事例です。
母の日にデンドロビュームという洋蘭を販売して月商4800万円を達成されました。
売上も素晴らしいのですが、今回特筆すべき点は、転換率です。
来訪ユーザーの中の購入者割合のことを転換率、もしくはコンバージョンレートと言います。100人が来訪して1人が購入したら転換率1%となります。
商品ページの改善を行い購入転換率を15%にまで引き上げることに成功したのですが、そこからさらに29.7%に引き上げることの成功した要因が生産者さんとデンドロビュームとの関係性を綴った「共感プロフィール」なのです。
概略は次の通りです。
ある日、生産者さんのもとに一本の電話がかかってきました。
「久しぶりだね」
懐かしいその声は洋蘭作りの大先輩からでした。
「あ、先輩!久しぶりです!」
「ぼくはね、もう年なんで、そろそろ蘭造りから引退しようと思っているんだ」
それでね、もしよかったらぼくの育てているデンドロビュームを君に託したいと思うんだけど、いかがなもんだろうか?」
「デンドロビュームを母の日のギフトとして販売してみたら、と思うんだよ。
全国のお母さん達をデンドロビュームで笑顔にしてはくれないだろうか?」
生産者さんはデンドロビュームという洋蘭を育てた経験がありませんでした。
それでも、先輩からの言葉と花の魅力を感じ、
「わかりました。お受けいたします」
と返事しました。
しかし、デンドロビュームは、洋蘭の中でも栽培するのが非常に難しいものの一つだったのです。栽培期間2年半、植え替え5回、水やり150回を必要とし、なにより開花調整の難しい種類でした。
周りの生産者仲間はみんな反対しました。
「そんな難しい種類を手がけるのはやめておきなよ」
「デンドロビュームで母の日のギフト?開花調整があんなに難しいのに?」
「そんなリスクの高いことやる必要ないでしょ?」
それでも果敢にチャレンジしました。
そして見事に「大失敗」します。
なんと予定していた鉢のわずか20%しか出荷できなかったのです。
周りの仲間からは笑われました。
しかし、そんな精神的なことよりも、致命的な大赤字を出すこととなってしまったのです。80%をダメにしてしまったのですから当然です。
一生懸命出荷してくれたスタッフにも給料が出せるかどうか、というところまで追い詰められてしまいました。
でも、諦めませんでした。
自分自身が惚れ込み「日本で一番喜ばれる母の日ギフトに育てる」とあのとき約束したからです。
それから試行錯誤を繰り返します。
試しては失敗、試しては失敗。
そして開き直ります。
「コスト度外視で、栽培期間を延ばす等の施策を行い、それから二年後、遂にハウス一面にデンドロビュームの花が咲いたのです。
その咲き誇るデンドロビュームを涙を流しながら、拭うこともせず眺めていたそうです
そしてその年、約1000鉢出荷することができました。
翌年は2343鉢、その次の年は4211鉢を出荷したのです。
プロフィールはこう締めくくられています。
「わたしたちの想いが届き、お母さんに笑顔の花が咲きますように」
<成果のポイントは?>
人と商品(サービス)との関係性を明確にする共感プロフィールはこのように人の心に
深く浸透する威力があるのです。なぜか?
それはそのままご自身の素直な人生そのままの姿を正直に相手に伝えているからにほか
なりません。
テクニック云々ではありません。
拙著「人気ネットショップ店長セキララ奮闘記」ではネットショップ運営で1000万円をわずか4か月間でドブに捨ててしまう、という失態を赤裸々に公表しています。
経営で1000万円を失った話は、正直経営コンサルタントとして公表するリスクも大いにあります。こんな経営感覚の無いヤツに指導してもらって大丈夫なのか?
と思われてしまう恐れがあるからです。
しかし、思い切って公表したことで逆に「そういう経験をしているからこそ、あなたを信用できる」と言ってくださる方々がたくさんいらっしゃいました。
この洋蘭生産者さんも同様です。
素人同様ではじめたデンドロビュームの栽培。
周りの反対を押し切ってのトライ、そして大失敗、致命的な大赤字。
仲間からの嘲笑、ズタズタになったプライド・・・。
本来なら人様に話したくないことかもしれません。
でもそれを伝えること
で自分が信じている商品の素晴らしさを伝えられたら、という想いが強く伝わってきます。
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:県産品(青果)店
2015年12月23日| ランチェスター戦略シーズンで一番早い! をアピール、価値を上げることに成功「一番乗り○○○○」
九州産の野菜や果物等を販売しているネットショップの事例をご紹介いたします。
これまではやはり多品種なだけの「商品陳列型どうぞお選びください」状態でした。
品揃えを重視した運営をしていて、広告も多数の商品で運用していました。
そのためリソース(経営資源)が分散してしまっていたのです。
そこで商品の一点集中をアドバイスしました。
さらにここではリピート販売についても見直しました。
リピート販売に強い商品に「みかん」があります。
一般的な傾向として果物の種類によってユーザーの嗜好がわかれます。
たとえば沖縄のスナックパインを好きな方にマンゴーをお勧めしてもあまり反応はあり
ません。逆にマンゴーを好きな方にスナックパインをお勧めしても同様です。
販売している方としては同じ南国系のフルーツなのでどちらも喜ばれそう、と思うので
すが、見事に反応が無いのです。
そこでこのショップでは、種類の違うみかんに対して「○○みかん」「△△みかん」というように商品名に「〜みかん」と名付けることにしました。
その結果20%以上のリピート率を実現し、月商1400万円→月商1億円超を達成しました。
このショップが現在取り組んでいるのが「高付加価値ギフト」商材の販売です。そこで目を付けたのが「シーズンで一番早い」という「プラスワン」です。
加温ハウス栽培で通常の露地物よりも早く市場に出せる果物を「一番乗り○○○○」と名付け、「ボジョレーヌーボー」ならぬ「○○○○ヌーボー」というキャ
ッチコピーで新酒のワインとイメージをリンクさせることで初物であることと、高級感の両方を演出することに成功しています。
訳あり+ワンコイン以下!で割安感のイメージを明確化!
「訳あり○○みかん」
このショップのもう一つの人気企画「訳あり○○みかん」をご紹介します。
天候や風の影響等で表面にキズや黒点があったり果皮に少し青みが残っている、といっ
た理由でブランドみかんとして出荷できないものをさらにサイズ不選別でお届けする
、という企画商品です。
こういった商品は通常市場には流通しません。それを大量一括仕入れすることで低価格を実現しています。
なんと一箱で500円です!
この価格感を「ワンコイン!」というキャッチコピーでイメージ化しています。
ワンコイン=500円玉、ということです。しかも送料無料。
さらに、
2箱ご注文で+1箱オマケ、
3箱ご注文で+3箱オマケ、
4箱ご注文で+5箱オマケ、
5箱ご注文で・・・という企画になっています。
買えば買うほどお得になる、という圧倒的な演出で購入者の80%以上が2箱以上を購入
しているとのこと。
「訳あり」というキーワードで割安感を演出する場合、賑わい感をいかにアピールするか?がポイントになるようです。
<成果のポイントは?>
このショップさんの売り方を表層的に見てみると「値引き販売」ではないか?と思われるかもしれません。
しかし、実際には送料が含まれている価格設定になっています。
なので、注文数が増えるとその数分送料が加算されてしまいます。
その余剰送料分を「オマケ」として増量しているので、実際にはそれほど値引きしているわけではありません。
しかし、ユーザー側からしてみれば「買えば買うほどオマケが増える!」というお得感をアピールできるのです。
さらにこのお得感をアピールした企画で大量の顧客獲得に成功しています。
その後、その顧客に向けて冒頭の「一番乗り○○○○」をお勧めします。
この一連の設計こそがこのショップの素晴らしいところなのです。
また、このショップには名物店長がいらっしゃいます。
その時々の流行しているネタのモノマネするのが最近は定番ネタになっています。
共感には3種類あります。
人に対する共感
商品に対する共感
店舗に対する共感
この3つの共感をこのショップはしっかりとデザインしています。
非常に参考になる事例だと思います。
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:馬刺し専門店
2015年12月22日| ランチェスター戦略サポート・不安要素の解消という観点を馬刺し専門店を事例に解説したいと思います。
このお店は、本場の馬刺しを3つのこだわりを持って販売しています。
1.馬刺しの鮮度にこだわります
2.職人による手さばきにこだわります。
3.使いやすさ、鮮度を保てる小分けのパックにこだわります
「鮮度」も「手さばき」も重要な要素ですが、ここで取り上げたいのは3の小分けパックです。
この馬刺し専門店のユーザーは、一般の消費者に対して普段使いやギフトでも人気がありますが、
飲食店、特に居酒屋さんからの「仕入れ需要」でも大変重用されています。
その秘密が50g単位の小分けパックなのです。
料理店や飲食店、たとえば居酒屋さんが馬刺しをお店のメニューに加えたい、と考えたとします。
鮮度の高い、てさばきの美味しい馬刺しをお客様に提供できたらお客様も喜ばれるに違いない、
と店長さんは思いました。
しかし、ここで一つの不安がよぎります。
「馬刺しを普段食べない地域で、馬刺しの美味しさを伝えたいのだが、
はたしてお客様は馬刺しを注文してくれるだろうか?」
たとえば数百グラムのかたまり肉を仕入れたとします。
「すみません、馬刺し一人前ください」
お客様から注文が入りました。
かたまり肉を解凍して一人前、たとえば50gを切り分け、盛りつけしてお客様に提供します。
しかしその後注文が入らなかったとします。
すると解凍してしまったかたまり肉はそのまま廃棄になってしまう・・・
飲食店にとって「歩留まり」つまりロス率の軽減は店舗運営にとって大変重要な要素です。
かたまり肉で仕入れるとこのようなロスにつながる可能性があります。
これが飲食店側の馬刺しを仕入れる不安要素なのです。
なのでロスにつながるので馬刺しはメニューに採用しずらい。
でも、美味しい鮮度の高い馬刺しをメニューに採用したらお客様から喜ばれて、
結果的にお店も繁盛するかもしれない。
そういった需要と要望を発見した馬刺し専門店は、
「一人前、50g単位の小分けパックでの提供」
という方法でその不安要素を解消しようと考えました。
食べたい分だけ解凍ができて、ムダが少ない「小分けパック」ですが、開発段階では
、加工に手間がかかりすぎると職人さんから猛反対されたそうです。
それでも「心から喜ばれる商品」づくりのために、あきらめずに粘り強く交渉した結果、
やっとの思いで実現にこぎつけました。
狙い通り、飲食店の方々から大好評。
仕入れでの注文ですので、ある程度のまとまった量で、しかも定期的な受注につながっているそうです。
<成果のポイントは?>
この馬刺し専門店は、
・一般の消費者様向け
・飲食店向け
の2系統のターゲットが存在することになります。
一般の消費者様向けは、通常のお取り寄せショップということになりますが、飲食店向けの場合、
リピータービジネスになるのです。
当然販促方法もCPA(新規客一人当たりの獲得コスト)の考え方も異なります。
このように、「小分け」というのが商品力を高めていることは疑いの余地がありませんが、一方でターゲット分析もしっかりと行っているのがこの馬刺し専門店の成果要因だと考えます。
※飲食店様向けには、サポートとして販促グッズ等、販促品の提供も行っています。
せっかく新鮮で美味しい馬刺しを提供しても、店内でお客様が気づいてくれなければ、
馬刺しは売れません。
そこで飲食店のお客様へのサポートとして「店内用ポスター」や「テーブル用卓上ポップ」等を
用意し、商品と一緒に同梱しています。
これら販促品により、飲食店のお客様に新鮮な美味しい馬刺しを提供していることを
お知らせすることができ、お店のオーダーを増やすことができます。
お店のお客様は美味しくてニッコリ。飲食店も馬刺しの売り上げが上がりニッコリ。
もちろん馬刺しドットコムも美味しい食材をたくさんお届けできてニッコリ、
という三方良しの状態を作り上げているのです。
キュレーションマーケティングの観点としては、
・50g単位での小分けパック
によって飲食店ユーザーの「ロス率が上がったらどうしよう」という不安要素の解消に成功し、
・販促品の提供
によって店内での馬刺しの販促の後押しを行うことで売上の大幅アップに成功しています。
サポートをビジネスに活用している好例と言えるでしょう。
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:沖縄土産物店
2015年12月22日| ランチェスター戦略年間700万人の観光客が訪れる一大観光地「沖縄」のお土産屋さん
がネットショップも運営していました。
そのネットショップの売上が伸び悩んでいる、ということで「商品の一点集中」を
ご提案させていただきました。
これは、店舗のリソース(経営資源:ヒト・カネ・モノ等)を一つの商品に集中して
投下することで資源を効率的に活用する経営戦略です。
簡単に言うと「たくさんある商品の中から一つに絞って広告をうったり、
ページを作りこんだりしましょう」という施策です。
するとその会社の経営者さんから、
「一点集中ということについては理解できるが、当店には当てはまらないのでは?」
という議論がありました。
私が、「どうしてですか?」と聞き返すと、
「お土産屋さんのベネフィット(価値)はたくさんの商品の中から選べる、
という楽しさだとと思うのです。
実店舗にいくとわかるとおもうのですが、お店にはたくさんの商品が陳列されています。
その中からお気に入りのお土産を見つける。
そういう楽しさがお土産屋さんのベネフィットだと思うのです。
そこに商品の一点集中をしてしまうというのは当店のベネフィットに逆行する施策だと思うのです」
こう答えました。
たしかにお土産屋さんにいくとたくさんの商品が並んでいます。
その中から楽しそうに選んでいる光景が目に浮かびます。
その経営者さんのおっしゃることも「もっとも」だと思った方も多いのではないでしょうか?
ここではターゲットについて考えてみたいと思います。
特定の観光地になんども足を運ぶ、いわゆるリピーターさんだったら、
その地域でどんな特産品があるのか?どの店舗で買えば間違いないのか?はわかります。
そういうユーザーはご自身でしっかりと商品や店舗を選択できます。
でも、観光地のユーザーのおそらく80%は「新規ユーザー」ではないでしょうか?
新規ユーザーは、どんな商品があるのか?どこで買えばいいのか?
わかりません。
私は経営者さんにこう聞きました。
「お土産屋さんにとって、新規のお客様の不安要素は何だと思いますか?」
「さあ・・・なんでしょうか?」
「たくさんある商品の中からどれを選んだらいいかわからない、ということなんです。
沖縄のお土産はたくさんありますよね?
ちんすこう、紅いもタルト、海ぶどう、琉球ガラス、焼き物、パインアップル、
マンゴー、島ぞうり、シーサー・・・。
初めて沖縄旅行に行く方を想定するとご理解いただけると思います。
海ぶどう、ってなんだかわからないんです。
ちんすこうも、ブランドがたくさんあってどれが一番美味しいか?有名か?
といった部分が全くわからない。そこで
『沖縄土産だったらまずはコレ!』という商品をそ
ういうお客様にご呈示して差し上げることがお客様の不安要素、を解消する
コンテンツになると思うのです。
そういう意味でまずは御社でお土産として一番売れている、対外的にも有名な商品を
イチオシにしたらいかがでしょうか?」
<成果のポイントは?>
さすがに感性の良い経営者さん。
すぐに意図を飲み込まれ、こう答えました。
「では当店では「タルト」がインターネットでも一番売れているので、
その商品を一点集中商品にします。」
と即答されました。
インターネット店はそのとき月商200万円。
そのタルトは店舗全体の売上の17%ぐらいのシェアでした。
その商品を一押しすることに決めました
すると、テレビ露出の影響もあったのですが、
1日で10000個(個包装単位)売れる状態になりました。
そのチャンスをとらえて、1日10000個(個包装単位)完売の実績!
というキャッチコピーを追加しました。
その結果、月商200万円だったネットショップは、3か月後には月商1095万円、
6か月後には月商1450万円を達成されました。
売上アップ率700%となりました。
一点集中させたタルトの店舗販売シェア率は、17%→35%と約2倍となりました。
まさに一点集中商品作戦が奏功した形となりました。
※ネットショップで商品の一点集中が奏功したのを受けて、
実店舗でも同様の施策をおこないました。
特定の商品をピラミッド状に山積みするレイアウトに変更したのです。
すると、なんとその商品がこれまでの10倍の売上となり、
もちろんそのショップの売上も劇的に向上したとのことです。
また、ネットショップではターゲットをさらに細分化。
修学旅行生に絞り込みました。
修学旅行生は、結構お土産に悩みます。
弟、妹、子供に向けたお土産、おじいちゃん、おばあちゃんに、そしてお父さんは
会社の同僚に配りたい等、様々な年代に向けて買わなければなりません。
これも大きな不安要素です。
そこで「修学旅行生のお土産はこれを買っておけば間違い無い!セット」を作り出しました。
この企画が大ヒットしたのです。
ここで特筆すべきは、このセットの商品一つ一つは、沖縄本島でしたら
どこにでも売っているありふれた商品ばかり。
それが「修学旅行生のお土産はこれを買っておけば間違い無い!セット」という
パッケージにした瞬間、一つ一つの商品が光り輝きはじめたのです。
これこそが「キュレーションマーケティング」の醍醐味だと確信しています。
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:ミネラル塩店
2015年12月22日| ランチェスター戦略海水で作った塩を製造・販売している会社があります。
この会社は特許を取得した特殊な製法で海水の中から水だけを蒸発させて
塩を作り出します。そのためミネラル分が豊富な塩ができあがるそうです。
塩としては高い部類に入りますが、それでも単価は低く、売れてもボリューム的に
満足できる金額にはなりません。
たとえば、直販の売上を実店舗とネットショップで2倍にしたい、と考えます。
このとき考えられる施策としては、
・新規のユーザーを増やす
・客単価を上げる
・リピート率を上げる
という3つがあります。
このうち「客単価を上げる」「リピート率を上げる」という2つについて検討したとき
次のボトルネックが発覚しました。
ボトルネックというのは文字通りボトルの首の部分を指します。
たとえばワインのタップリ入ったワインボトルを思い浮かべてください。
これを逆さまにしてワインを外に流します。
ワインボトルの底は太いのでそのままの太さのボトルだったらたくさんのワインが流れ
落ちます。
しかし実際にはボトルの一番細い、大抵は口の部分の直径の分だけが流れ落ちます。こ
れはボトルの底の太い部分が、一番細い首の部分に影響を受けて流れ落ちる量が決まっているからです。
砂時計を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。
砂時計は、真ん中がくびれていて、そこで砂の落ちる量を制限して時間をはかっています。
このくびれが無いと、砂はあっという間に流れ落ちてしまい時間を計測できません。
同じようにたとえば製造工程が4つある製品があるとします。
・1番目の工程では1日に100個分作れるとします。
・2番目は20個分。
・3番目は80個分。
・4番目は100個分。
この製造ラインのアウトプットは何個になるか、というと実は20個しか製造できません。
1番目の行程で100個分のアウトプットができても、3番目、4番目でそれぞれ80個、
100個の製造が可能であっても、2番目の製造工程で20個しかアウトプットできなければ、
3番目以降のラインには20個分の半製品しかアウトプットされないからです。
このときの2番目の工程を先ほどのワインボトルの首の部分、
もしくは砂時計のくびれている部分という意味でボトルネックと呼びます。
この塩の製造販売店のボトルネックは2つ。
・食べる目的の塩は単価が低く、お菓子等の加工品にしてもあまり単価を上げられない
・調味料なので使用頻度を上げにくい。したがってリピート率やリピート回数を
増やすことが製品の特性上難しいということです。
たしかに、売上10倍を目指した時に「塩を10倍摂取しましょう」とはとても言えませんし、
実際に不可能ですよね。
<成果のポイントは?>
このボトルネックを解消するために
「通常とは逆の視点で考えてみること」
ということを実践しました。
調味料として食べていただくにはリピート率とリピート回数に限界があります。
食べる=摂取する、
と考えた場合、逆の発想をすると
「摂取」の反対は、「排出」です。
極端な言葉を使わせていただけるならば「捨ててもらう」という使用方法は考えられないでしょうか?
たとえば「使い捨て」とか。食べる以外の用途を検討することにしました。
すると、塩のもつ効果・効能を活用して、
・洗顔目的の塩で「洗い流してもらう」
・梅干しを漬ける「塩」として利用してもらう
・バスソルトとして使ってもらい、使用後排水溝からお湯を流してもらう
・シャンプーやリンスで髪の毛を洗い流してもらう
という利用方法が浮かび上がってきました。
このうちのいくつかのアイディアを商品化、塩を使い流してもらうことで、
大量に消費してもらうことができ、ネット通販だけでも月商1000万円を達成したのです。
※ちなみにこの発想の原点は「砂糖」業界です。
健康志向等で砂糖の消費量が落ち込んだ時にこの業界がとった施策が
「スティックタイプのシュガー」を企画したことでした。
喫茶店等でコーヒーを飲むときに砂糖を使いますが、ほとんどが半分以下の使用だと思います。
残りは袋に入ったままで折り曲げて、とっておきます。
でも結果的にそのまま店をあとにした場合、そのとっておいた砂糖はどうなるか、
というと廃棄されます。
つまり、砂糖の消費量を増やすために摂取してもらうのではなくて、
廃棄してもらう、という考え方を採用した、という説を聞いたことがあります。
本当かどうかは定かではありませんが・・・。
でも、発想法としてはとても面白いと思います。
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:玄米・雑穀米店
2015年12月22日| ランチェスター戦略出来る限り当日出荷サービスや、手書きのメッセージで共感を創出、
リピート率が2倍になった玄米・雑穀米・白米のお店をご紹介したいと思います。
このお店は創業百数十年の伝統ある米穀店です。
ところが店舗のある地域は過疎化が進み、年々人口が減っているそうです。
人口が減少する、ということはお米を食べる人の数が減る、ということ。
お米屋さんにとっては致命的な現象です。
そこで商圏の拡大を、ということでインターネットショップをスタートさせました。
インターネットモールに出店したのはいいのですが、なんと1年間で売れたのは
お試し商品たった1個。
しかも単価は500円のお試し玄米セットだったそうです。
そのインターネットモールは数千万人のユーザーが登録しています。
つまり数千万人の人通りがある訳です。
その人通りがある中で「年商500円」しか売れない。
店主さんは悩みました。
実店舗だったら人通りが集客になります。
たまたま通りがかって興味をもって入店する、ということがあるからです。
ですから人通りの何割かは来店を見込めます。
しかし、インターネットはたまたま、もしくはフラフラと偶然入店するユーザーが
基本的には存在しません。
店舗にアクセスするには検索結果の説明文かバナーを見て、ここ面白そうだな、
とかここの商品を見てみたい、というユーザーの明確な意思が必要になるのです。
ですから興味をもたれないショップにはアクセスしません。
実店舗はフラッと入れます。
ここに実店舗とインターネットショップとの集客における決定的な違いがあるのです。
「年商500円」はそれを如実に物語ってしまいました。
そこで、打開策としてしっかりと店舗の伝統と商品の良さを
アピールすることにしました。
その甲斐あってだんだんと売れてきました。
しかしここでまた問題が起こります。リピート率の低さです。
お米、玄米、というリピート性の高い商材を扱っているのにも関わらず、
店舗のリピート率は20%弱。
ここを上げていかないと売上アップは見込めません。
そこで店主さんが考えたのは接客の質をあげる、というものです。
とは言っても小さな街のお米屋さん。特別なことができる訳ではありません。
<成果のポイントは?>
そこで、
・できる限り当日の注文に対して当日発送を心がけました
・小さな便せんに筆ペンで手書きのメッセージを同梱することにしました
お米は毎日食べるものです。
しかし重量のある商品でもあるので通販向きともいえます。
さらに、自宅の在庫に余裕があるときに買い足す、ということはあまりせず、
どちらかというと、ある日の夕飯の支度をしていて「あ!お米が今日の分しかない!」
ということになって慌てて購入する、というケースが多いのではないでしょうか?
そういう意味においてできる限り当日出荷して差し上げる、
というのは非常に顧客視点のサービスと言えると思います。
するとユーザーの反応に変化が出てきたのです。
お客様の声の数がどんどん入るようになってきました。主力商品ではなんと5000件
を超えるユーザーレビュー数となりました。
そしてその結果リピート率は40%を超えるようになっていたのです。
さらに、客単価も上がりました。
20%以下のとき、主力商品は4000円の玄米3パックセットでした。
それがリピート率40%を超えるようになると、
なんと主力商品が12000円の10個パックになっていたそうです。
12000円の方が割引率が高いのでリピーターさんにとっては10個買った方が
お得で便利だからです。
リピーターが増えた結果、まとめ買いのユーザーが増えたことによって
客単価が3倍になった、ということです。
「年商500円」だったお店は丁寧な接客とリピーター獲得によって、
気がついたら月商1500万円を売り上げるようになっていました。
※手書きのメッセージですが、この施策は確かに効果的です。
しかし、人手を要する施策であると同時にオペレーションも煩雑になります。
あくまで手書きにこだわっている店舗もありますが、正直かなりしんどい作業となります。
実際にこの米穀店さんは、月商300万円ぐらいが限界だったそうです。
できるだけ当日出荷を行う、という施策と、手書きのメッセージを全員に挿入するという施策は、
実はトレードオフの関係にあります。
そこで、現在推奨している施策は、
・お礼状は基本、手書きをコピーもしくは印刷したものを使う。
・お客様の名前の部分だけを手書きで書く。
という作戦をおすすめしています。
これでしたら作業の負担もだいぶ軽減されますよね。
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:ダイビンググッズ店
2015年12月22日| ランチェスター戦略価格が安いことが必ずしも購買動機にはならなかった「ウェットスーツ」の販売事例を
ご紹介したいと思います。
体験ダイビングやダイビング講習、ホエールウォッチング等の体験型ビジネスを
展開すると同時にダイビンググッズの販売店舗とネットショップも運営しています。
主力商品のひとつに「ウェットスーツ」があります。
オリジナルブランドのウェットスーツは従来のスーツと比べて
約1・8倍伸びる生地を使用しているそうです。
この「良く伸びる」というのを売りにしてスムーズな着脱とストレスの無い着心地を実現しています。
しかもこの機能でなんと19800円で手に入る! ということで販売していたのです。
が、売れてはいるのですが、どうもイメージ通りの売上にならなかったそうです。
こんなに安くて動きやすくて着脱もスムーズなのに、どうしてなんだろう?
「このウェットスーツの特徴は何なのですか?」
「もちろん特別な素材を使っているのでとにかく良く伸びるんです。
だから着脱もスムーズにできます。さらにストレスの無い着心地を実現しています。
サイトでもいろいろな動きの写真を掲載して、こんなポーズでも簡単にできちゃう!
こんな動きでもへっちゃら!という感じで高い伸縮性をアピールしています。
それがなんと19800円という低価格で手に入る、というのが売りです!」
とダイビングの専門化らしい、機能を全面に押し出した商品の強みと安さを説明していました。
あるときお客様からこんな質問が飛び出してきたそうです。
「なんでこんなに安いんですかね?」
「え?」
「いや、どうして19800円なんて安い値段で販売しているんだろうなあって思って。
だってウェットスーツってある意味命を守るスーツじゃないですか?
それが19800円だったらちょっと安すぎるなあって思ったんです。
安かろう、悪かろうじゃ怖くて買えないですよね」
という会話になったそうです。
これはある意味理解できます。
生命にかかわる等、重大なことであればあるほど、低価格であるほど信頼感をも低下させる
傾向があるのです。
たとえば、歯医者さんに行って、治療中に歯医者さんが手を止めて
『現在48時間タイムセール中で、なんと今ならセラミックの詰め物が20%オフになります!
いかがですか?』
って言われたらどうでしょうか?
嫌ですよね?
この歯医者さん信用できないなって思ってしまいますよね?
このウェットスーツについても、それと同じような不安感を抱いてしまうようでした。
<成果のポイントは?>
店舗側は商品の売りと強みについて
・伸びる素材を使っているので着脱や動きが容易
・そんな高い機能性の商品が19800円で買える
という部分を打ち出していたのです。でも、ユーザー目線で考えると
・機能性は二の次である
・それよりも自分の命を守るウェットスーツがどうしてそんなに安いのかが不安。
安かろう悪かろうでは、そんな大切なものを買うのに心配で決められない。
という形で店舗側のアピールとユーザー側の不安要素がマッチしていなかったのです。
そのため思ったような売上にならなかったのではないか、という結論に至りました。
そこで、次のような説明を追加しました。
「なんでこんなに安いの・・・?」
「他者のウエットスーツに比べて、けっこう安いけど品質は大丈夫なの?」
そしてそれに続いて、
・オリジナルブランドであり、海外の工場で生産、直輸入・直販しているので余計な
コストがかからずこの納得の価格でご提供できること
・決して安かろう、悪かろうという商品では無いこと。
・この素材は某大手メーカーが60000円ほどで販売しているウェットスーツで
使用している素材と全く同じであること。
・ちなみにこれだけの装備でオーダーメイドすると100000円ほどになること
をしっかりと説明しました。
さらにイメージと違った、サイズが合わなかった、という場合には無償で返品交換、
返金させていただく、という「満足保証付き!」というサポートもつけました。
こうしてお客様の購入時の不安要素を解消した結果、売上が急増、
サイズ感の難しい商材であるにも関わらず、月商1000万円を達成しました。
ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:マザーズバッグ店
2015年12月21日| ランチェスター戦略
水上 浩一です。
「マザーズバッグ」等、雑貨の製造・販売の会社の事例を解説いたします。
マザーズバッグというのは小さなお子さんのいらっしゃるお母さんが使う、哺乳瓶やお
むつポーチ等を収納できる機能的なバッグのことです。
15000円のマザーズバッグが大ヒットしていましたが、
同じマザーズバッグでも8900円の商品はさっぱり売れていませんでした。
この商品の販促企画を行うことになりました。
いくつかアイディアが出た中で
「バケツトートに同じ素材で作ったミニバッグをおまけでつけたらどうか?」
というアイディアが出ました。
以前にも、15000円のマザーズバッグの販売のときに、
販促企画としてバッグ制作時の余り布を使ったハート形のストラップを購入者全員にプレゼントする、
という販促企画を開催しました。
材料費0円、縫製代で20円ぐらいでしょうか?
こんなちょっとしたオマケで15000円のバッグが売れるのか?と思いましたが、
ふたを開けたらなんと110%アップの成果を上げることができました。
その事例があったので、それよりは断然良いオマケだな、と思ったのです。
「それはいいですね! 同じ素材のミニバッグがついて、それで同じ8900円だったら
相当お得感がありますから」
そう返事すると、思いもよらぬ返事が返ってきました。
「いえ、販売価格は1000円アップさせます。ミニバッグの加工単価が高いので。
1000円でも安いぐらいです。」
いやいやいや、ちょっと待って、ちょっと待って・・・
売れない商品の販促企画を打ち合わせしているんですよ。
その商品をどうやったら売上あげることができるのか?という議題のときに、そこで販売価格を上げる、
という施策が生まれてくること自体がおかしくないですか?
すると
「本体のマザーズバッグと同じ生地でミニバッグをセットにしたら、かわいいし、便利だと思うんです。
たとえばママ友とちょっとカフェ等に出かけたとき、「ちょっと化粧室へ」と思っても、
マザーズバッグを持っていくわけにはいきません。
そんなとき、同じ素材のミニバッグがあったら便利だと思ったんです」
つまり、お店側の見解としては、このマザーズバッグが売れないのは、利便性の問題なのではないか?
ということです。
ミニバッグを付加することで、機能的にアップさせれば売れるのではないか?ということのようです。
価格が上がるのは正直どうかな、と思ったのですが、ミニバッグ自体の企画はとても良いと思いましたので、思い切って「バケツトート+同素材のミニバッグ」という企画を販売価格1000円アップでリリースすることになりました。
そしてその企画は大ヒット!累計で4000個売れたのです。
販売価格を1000円もアップしてヒットさせた好例となりました。
<成果のポイントは?>
・商品企画を行う際、ユーザー目線が重要なのだと思いました。
・さらに申し上げると、ユーザーの実際に利用しているシーンを明確にイメージすることで、
ユーザーの不安要素を抽出することができます。
・そこで不安要素の解消の観点でキュレーションマーケティングにおけるフレームワーク 「プラスワン」を
実践しました。
・この場合、不安要素の解消が共感を創出できると判断したので、原価が上がってしまう分、
商品価格に上乗せするという判断を行いました。
以上が成果ポイントとなります。
この事例では、マザーズバッグ単体8900円よりも、「マザーズバッグ+同素材のミニバッグ」セット、
1000円アップの方がユーザーにとって価値が高くなったということだと思います。
これはすごいことだと思います。
だって、
マザーズバッグ単体:8900円
マザーズバッグ単体+ミニバッグ:9900円
を比較したときに、マザーズバッグ単体:8900円のときは、8900円分の価値を感じなかったユーザーが、マザーズバッグ単体+ミニバッグ:9900円のセットにしたとたん、9900円以上の価値を感じてくれた、
ということになります。
つまり同素材のミニバッグが1000円以上の価値を生み出したことになります。
確かにヒアリングを行うと、同素材のミニバッグはなにかと使い勝手が良く、便利そうだ、
という高評価を得ています。
利益の定義は、
WTPーC=P
と言われています。
WTP(Willing To Pay=顧客が払いたいと思う水準・価値)
C=コスト
P=プロフィット(利益)
です。
つまり、
マザーズバッグ単体にミニバッグを付けたことにより、このセット商品は、Willing To Payの数値が
これまで単体で販売していたときの割合よりも高くなったということができると思います。
販促企画ではこのように「Willing To Pay」を考えていくのも一つの切り口だと思います。