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ランチェスター戦略・キュレーションマーケティング成果事例:馬刺し専門店

2015年12月22日|ランチェスター戦略

サポート・不安要素の解消という観点を馬刺し専門店を事例に解説したいと思います。
このお店は、本場の馬刺しを3つのこだわりを持って販売しています。
1.馬刺しの鮮度にこだわります
2.職人による手さばきにこだわります。
3.使いやすさ、鮮度を保てる小分けのパックにこだわります
「鮮度」も「手さばき」も重要な要素ですが、ここで取り上げたいのは3の小分けパックです。
この馬刺し専門店のユーザーは、一般の消費者に対して普段使いやギフトでも人気がありますが、
飲食店、特に居酒屋さんからの「仕入れ需要」でも大変重用されています。
その秘密が50g単位の小分けパックなのです。
料理店や飲食店、たとえば居酒屋さんが馬刺しをお店のメニューに加えたい、と考えたとします。
鮮度の高い、てさばきの美味しい馬刺しをお客様に提供できたらお客様も喜ばれるに違いない、
と店長さんは思いました。
しかし、ここで一つの不安がよぎります。
「馬刺しを普段食べない地域で、馬刺しの美味しさを伝えたいのだが、
はたしてお客様は馬刺しを注文してくれるだろうか?」
たとえば数百グラムのかたまり肉を仕入れたとします。
「すみません、馬刺し一人前ください」
お客様から注文が入りました。
かたまり肉を解凍して一人前、たとえば50gを切り分け、盛りつけしてお客様に提供します。
しかしその後注文が入らなかったとします。
すると解凍してしまったかたまり肉はそのまま廃棄になってしまう・・・
飲食店にとって「歩留まり」つまりロス率の軽減は店舗運営にとって大変重要な要素です。
かたまり肉で仕入れるとこのようなロスにつながる可能性があります。
これが飲食店側の馬刺しを仕入れる不安要素なのです。
なのでロスにつながるので馬刺しはメニューに採用しずらい。
でも、美味しい鮮度の高い馬刺しをメニューに採用したらお客様から喜ばれて、
結果的にお店も繁盛するかもしれない。

そういった需要と要望を発見した馬刺し専門店は、
「一人前、50g単位の小分けパックでの提供」
という方法でその不安要素を解消しようと考えました。
食べたい分だけ解凍ができて、ムダが少ない「小分けパック」ですが、開発段階では
、加工に手間がかかりすぎると職人さんから猛反対されたそうです。
それでも「心から喜ばれる商品」づくりのために、あきらめずに粘り強く交渉した結果、
やっとの思いで実現にこぎつけました。
狙い通り、飲食店の方々から大好評。
仕入れでの注文ですので、ある程度のまとまった量で、しかも定期的な受注につながっているそうです。

<成果のポイントは?>
この馬刺し専門店は、
・一般の消費者様向け
・飲食店向け
の2系統のターゲットが存在することになります。
一般の消費者様向けは、通常のお取り寄せショップということになりますが、飲食店向けの場合、
リピータービジネスになるのです。
当然販促方法もCPA(新規客一人当たりの獲得コスト)の考え方も異なります。
このように、「小分け」というのが商品力を高めていることは疑いの余地がありませんが、一方でターゲット分析もしっかりと行っているのがこの馬刺し専門店の成果要因だと考えます。

※飲食店様向けには、サポートとして販促グッズ等、販促品の提供も行っています。
せっかく新鮮で美味しい馬刺しを提供しても、店内でお客様が気づいてくれなければ、
馬刺しは売れません。
そこで飲食店のお客様へのサポートとして「店内用ポスター」や「テーブル用卓上ポップ」等を
用意し、商品と一緒に同梱しています。
これら販促品により、飲食店のお客様に新鮮な美味しい馬刺しを提供していることを
お知らせすることができ、お店のオーダーを増やすことができます。
お店のお客様は美味しくてニッコリ。飲食店も馬刺しの売り上げが上がりニッコリ。
もちろん馬刺しドットコムも美味しい食材をたくさんお届けできてニッコリ、
という三方良しの状態を作り上げているのです。

キュレーションマーケティングの観点としては、
・50g単位での小分けパック
によって飲食店ユーザーの「ロス率が上がったらどうしよう」という不安要素の解消に成功し、
・販促品の提供
によって店内での馬刺しの販促の後押しを行うことで売上の大幅アップに成功しています。
サポートをビジネスに活用している好例と言えるでしょう。