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ランチェスター戦略のネットショップ活用(5)接近戦

2020年12月13日| Webマーケティング, You Tube, ランチェスター経営戦略

「ネットショップ「勝利の法則」 ランチェスター戦略」(マイナビ出版刊)

■ランチェスター戦略のネットショップ活用(5)接近戦

接近戦には2つのポイントがあります。
1)リスト集客(メルマガ、LINE@、ソーシャルメディアのフォロワー)
2)各種メディア露出、小売店への露出による、指名検索の増加、ブランド化
それぞれ説明します。

1)リスト集客(メルマガ、LINE@、ソーシャルメディアのフォロワー)
趣味性の高い商品を販売しているネットショップさんの事例です。
メルマガとソーシャルメディアからの集客の月商ギネス更新したときと
その前月の対比を見てみたいと思います。
月商ギネス更新前月の月商は約120万円でした。
そのときの
・メルマガ流入:769セッション:売上約9万円(7.8%)
・ソーシャルからの流入
 Twitter:960セッション:売上9万円(7.3%)
 Facebook:236セッション:売上1万円(0.7%)
となっています。
それに対して、月商ギネスを更新したときの月商は約500万円でした。
そのときの
・メルマガ流入:2,846セッション:売上110万円(22.7%)
・ソーシャルからの流入
 Twitter:3,415セッション:売上80万円(15.58%)
 Facebook:1,100セッション:売上14万円(2.8%)
となっています。
前月と月商ギネス更新月のリストの反応率がこれほど違った理由は、
明確でハウスリストに刺さる商品提案=新商品リリースがあった、ということだと思います。
逆に言うとハウスリストが何通あってもリストに刺さる商品や販促企画で無ければリストは機能しない、
ということでもあります。
ソーシャルメディアやメルマガをネットショップで活用する場合の非常に難しいところで
キモだと思います。

2)各種メディア露出、小売店への露出による、指名検索の増加、ブランド化
もうひとつは、新規・既存客どちらのユーザーからも商品との物理的な距離を近づける戦略です。
露出を高めて認知度を劇的UPさせて、指名検索で自社ECサイトで購入してもらう。
最終的にはブランド化を実現させることを目的としています。具体的には
○インフルエンサー活用(YouTuberやInstagramer)
○テレビ・雑誌等メディア活用
○取扱店舗を増やして行く戦略(指名検索を増やすためのショールーム化)
等の露出を高めることで、ユーザーとの物理的な距離を近づけています。
取り扱い店舗を増やす場合、一気に大量の店舗との取引をスタートさせてしまうと実店舗での
取り扱いが増えてネットショップの売上げ下がるのではないか?
という懸念が出てくると思いますが、実際には、自社ECサイトの売上が大幅に伸びた事例が
多いのです。
その動線は次のように予測します。
1)実店舗にあることがブランド、安心感(知名度アップ)
2)実店舗で手に取って、もしくは店員さんからの説明を聞いてから、購入する
  (商品に対するハードルが下がる)
3)良く目に付く、自分で購入して手元に商品がある
4)商品のブランド名、ネットショップ名等の指名検索キーワードで検索して購入
という流れで、
5)いままでそのブランドを知らなかった方が知ってくれる検索が増える
6)検索順位が上がる(指名検索キーワードの月間検索数が増える)
指名検索キーワードでの検索は、クリック率と転換率が高いことが予測できます。
7)自社ECサイトの売上がアップする。
という流れを作り出すことになるのです。

ランチェスター戦略のネットショップ活用(4)一騎打ち

2020年12月6日| Webマーケティング, You Tube, ランチェスター経営戦略

■ランチェスター戦略のネットショップ活用(4)一騎打ち

SEOにおいて、楽天市場やAmazonといった総合ショッピングモールは、
・商品点数が多い。
 楽天市場の出店状況 (2020年6月1日現在)
 店舗数:49,978 商品数:274,494,153点
 アマゾン日本事業の2019年(2019年1~12月)売上高は円ベースで1兆7442億1900万円
 (2019年の平均為替レートを1ドル=109円で換算)。
円ベースの伸び率は前期比13.6%増 アマゾン日本事業の売上高は直販ビジネスのほか、
第三者による販売
 (マーチャント売り上げ)の手数料収入、定期購入サービスなどが含まれる。
 2018年における「Amazon」のグローバル流通総額に占める販売事業者
 (「Amazonマーケットプレイス」出品・出店者)経由の割合は58%にのぼっている
 Amazonビジネスだけで5億アイテムあると言われています。
・圧倒的なアクセス数等の要因で検索順位が軒並み高くなっています。
 Amazonの2018年8月に調査した月間アクセス数は543,200,000アクセス
 楽天市場の2018年8月に調査した月間アクセス数は359,010,000アクセス

打ち勝つために商品点数を増やしてもAmazonの5億アイテムには遠く及びません。
アクセス数も月間5億セッションとか3億セッションとか聞いても意味がわかりません。
なにより、こういった数字で楽天、Amazonに対抗しようと思っても無理であることが
理解できると思います。
そこで「E-A-T」、特に「専門性」を重視した店舗設計を行うことになります。
つまり「総合店」に対して「専門店」で勝負する、ということです。
これがWeb戦略における「一騎打ち」です。
専門性で勝負することでセッション数や商品数では無い部分での勝負となります。
ちなみに「E-A-T」とは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、
Trustworthiness(信頼性)のぞれぞれ頭文字をとって省略した呼び方で、
Googleが示す検索品質評価ガイドラインで定義されているWebサイト評価基準のひとつです。
実際に「専門性」を訴求することで、月間平均検索数1万回以上の「ビッグキーワード」で
1位になり、2位にAmazonとなっているネットショップさんはEC実践会の中でも数多くあります。
当たり前の話ではありますが、検索順位で1位になると2位、3位とは桁違いの売上アップになります。
1位で全体の検索数の19.35%、3位では11.45%のシェアを取れるのですが、
1位と3位では8ポイント近い差があるのでそのような売上の差になるのです。

ランチェスター戦略のネットショップ活用(3)差別化

2020年11月28日| Webマーケティング, You Tube, ランチェスター経営戦略

■ランチェスター戦略のネットショップ活用(3)「差別化」

差別化については、前著「SEOに強い!ネットショップの教科書」でも説明させていただいている
「キュレーションマーケティング」という観点で、情報の再編集、再構築によって
商品価値を生み出す方法をお伝えしています。
たとえば、沖縄のお土産品を販売しているネットショップが、沖縄県内ならどこでも販売している
商品を選りすぐり「修学旅行生にはコレを買っておけば間違いないセット」としてリリース。
大ヒットとなったセットですが、この事例は、ターゲットを絞り込んだセットにすることで、
どこにでもあるお土産品に新たな視点をプラスして価値を生み出した訳です。
このように新たな視点をプラスして価値を生み出すことを「キュレーション」と呼びます。
詳細は前著に10の視点とそれらについての事例を掲載しておりますので、
是非お読みいただければと思います。

今回はそれとは違った視点で「差別化」について考察してみたいと思います。
それは、「バリューチェーン分析」をベースに、強みをどう活かしていくのか?
弱みをどう克服していくのか?コスト構造を変革させることで業界特性をどのように変化させていくのか?
といったところに焦点を当てることで差別化していく、という考え方です。
言い換えると「キュレーションマーケティング」の視点によって、価値の再編集を行ったことで、
どのように業界特性が変わり、経営戦略的に模倣されにくい差別化が実現できているのかを
「バリューチェーン」を活用して分析している、ともといえると思います。
たとえば、
研究開発(R&D)においては、犬服製造販売のネットショップさんが上げられると思います。
このネットショップさんの強み(差別化要素)は毎週金曜日に新商品・再入荷商品がアップされる、
つまり毎週新商品が出来る企画力です。一方、弱点(ボトルネック)は、在庫管理と、製造現場の
キャパシティの上限が売上の上昇によって(いまはまだ起こっていませんが)いつか来てしまう、
ということでしょう。
研究開発の強みの一つ、毎週新商品が出来るということは、会社には「型紙」という資産が
蓄積されていることになります。
まずはこれを販売することで研究開発費への1製品あたりコストが軽減されます。
しかも、「型紙」という商品はほとんどが情報に価値があり、型紙自体のコストは紙代だけですので、
低コスト、高負荷価値の商品になるわけです。
さらに型紙という資産を活用しつつ、製造のボトルネックを解消するという画期的な商品も登場します。
それは「犬服の手作りキット」です。
ボトルネックである製造工程をユーザーにゆだねる、もしくは参加してもらうことで
ユーザーにバリューチェーンへ参加してもらうことでボトルネックを解消する、という
アイディアでもあります。

ランチェスター戦略のネットショップ活用(2)局地戦

2020年11月22日| Webマーケティング, You Tube, ランチェスター経営戦略

■ランチェスター戦略のネットショップ活用(2)「局地戦」

Web戦略における局地戦は、日本国中、もしくはグローバルに展開できるインターネットマーケティングを
あえて地域限定に露出することで成果を上げる戦略です。
鉄リサイクル業を営む会社さんは、12年前のリーマンショックの影響で売上が大きくダウンします。
ランチェスター戦略を学び「接近戦」で近隣にチラシをまきます。
しかし全く反応がありません。
取引先とのコミュニケーションを密にしようとニュースレターも出しました。
しかし取引先は鉄リサイクル会社さんとは鉄の買い取り価格だけ教えてもらえば良く、
鉄くずを回収してくれれば良いので、
ニュースレターがきっかけで売上がふえることもありませんでした。
電話対応をしっかりやろうと講師を呼んで社員教育をしましたが、全く効果がありませんでした。
なぜかというと肝心の電話が鳴らなかったのです。
チラシやニュースレター等ランチェスター戦略の接近戦による新規獲得がうまくいかなかったのです。
そこで鉄リサイクル会社さんは、インターネットを活用することを着想します。
しかし数百万円の費用をかけてつくったウェブサイトですが、肝心の顧客インサイトの観点で
作られておらず、月に20件ぐらいの問い合わせしかありませんでした。
しかも、ほとんどが小口の個人ユーザーでビジネス・インパクトは小さいものばかりでした。
そこでEC実践会のノウハウ、特に顧客インサイトを重視したPICASSOの法則をトップページに活用する、
というアイディアを最大限に活用したホームページにリニューアルします。
その結果、問い合わせ数:20件→430件に!
なんと、問い合わせ数が20倍になったのです。
成果要因はサイトのリニューアルと引き取り可能な地域限定でリスティング広告を運用。
地域限定での表示に設定したので広告費も月額数万円のみ。
その結果、経常利益が昨年対比で500%UPしたそうです。
リスティング広告やディスプレイ広告は、このようにエリアを絞り込めるだけでは無くて、
時間帯も絞り込むことができます。
たとえば、観光施設の集客にリスティング広告を運用したときは、観光施設から日帰りできる地域に
絞って広告を表示させたのですが、早朝から9時ぐらいまでは、すでに現地でオープンを待っている
観光客がスマホで天候等の情報を入手するためにウェブサイトに来訪することが予測できたので、
あえて朝6時から9時までは広告を表示させませんでした。
集客とは関係無いクリックを避けるためです。

その他、別の会社さんでは、リスティング広告やディスプレイ広告についても集客だけでは無く、
採用までも広告で成果を上げています。
地域限定でディスプレイ広告を運用できるので、本社付近の地域に限定してバナー広告を表示することで
会社近くに在住する人材の採用に成功しています。

ランチェスター戦略のネットショップ活用(1)「一点集中」3つの視点

2020年11月14日| Webマーケティング, You Tube, ランチェスター経営戦略

■ランチェスター戦略のネットショップ活用(1)「一点集中」3つの視点

ランチェスター戦略6つの視点「1)一点集中2)局地戦3)差別化4)一騎打ち
5)接近戦6)陽動戦」のうち、今回は(1)一点集中について説明いたします。

一点集中について、今回は3つの視点をご紹介いたします。
1)商品の一点集中、一押しの商品紹介や掲載商品を絞り込む
2)ターゲットの絞り込み、顧客との距離感を縮める戦略→顧客インサイトの明確化
3)事業ポートフォリオにおけるシナジー(範囲の経済・リソースの一点集中)の視点

1)商品の一点集中、一押しの商品紹介や掲載商品を絞り込む
販売側としては、できるだけたくさんの商品を掲載した方が機会損失が少なく、
売上が上がるのではないか?と思ってしまいます。
しかし実際には逆で、特にトップページでは、おすすめ商品を中心にできるかぎり絞り込んだ
商品ラインナップを掲載するのが転換率を上げるコツです。
実際にPCサイトのトップページファーストビューでこれまで32商品を掲載していた型番商品の
セレクトショップさんが、リニューアル後、同じスペースに3商品のバナーのみを掲載したところ、
他の要因ももちろんありましたが、結果的に月商が5倍になった事例があります。
2)ターゲットの絞り込み、顧客との距離感を縮める戦略→顧客インサイトの明確化
買えない理由
私がネットショップ時代、100gの紅茶と焼き菓子のスコーンをセットで販売していたとき、
100gの茶葉は1回5g使用するので20回分になり、通常は2ヶ月間ぐらい持ちます。
そのスコーンと100gの紅茶のセットを毎週販売していたところ、
数ヶ月後、お客様からメールが来ました。
「スコーンが好きで毎回購入しています。ただ、毎回100gの紅茶が届きます。
飲みきれずどんどん貯まっていきます。ぶっちゃけ紅茶が邪魔なんです」と言われてしまいました。
しかし茶葉を20gに変更したところ、飲みきりサイズだったため好評を得ることができ、
結果的に売上は上がりました。紅茶が邪魔でスコーンを買うことができなかった、という訳です。
買わない理由
戦国武将グッズの製造販売をしているネットショップさんの事例です。
毎回新しい戦国武将のデザインでTシャツやキーホルダー等をリリースしていたのですが、
どうしても月商が低いところで低迷してしまいます。お客様から話を聞いてみると、
Tシャツやキーホルダーをいくつも持っていて、これ以上買うことができない。とのこと。
そこで御朱印帳のお城バージョンの墨城印をリリースしたところ、これが当たりました。
紙製なのでご自宅の在庫になることもなく、コレクション性も高いのでリピーターが増え、
月商は5倍になりました。
3)事業ポートフォリオにおけるシナジー(範囲の経済・リソースの一点集中)の視点
鉄リサイクル業の山下商店さんの場合、鉄回収の現場では主に製造工場の鉄くずを回収するケースが
多いのですが、最近は廃業に伴う回収が多いそうです。
たとえば印刷業現場での印刷機の回収や、飲食業の廃業に伴う厨房設備の回収も最近コロナの影響で
増えているようです。飲食店の厨房設備の回収は、そのままメンテナンスすれば使える設備も多く、
その場合はスクラップにするのでは無く、中古品として転売することも多いそうです。
このように回収物件の程度によって、素材として鉄資源製造会社に販売するか、
中古品としてオークション市場で販売するかを選択しているのです。

ネットショップ運営では値決めは重要だができないことだってある

2020年11月7日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営のコツ

■ネットショップ運営では「値決め」は重要だが、出来ないことだってある

先日、あるネットショップ運営の経営者さんとお話をしていました。
そのとき、モールで販売していて、価格競争に巻き込まれて利益がほとんど出なくなって、
やっとの思いで少しだけ価格を上げることができて、なんとか黒字化しました。
というお話を伺いました。それで私は、よく値上げできましたね。それはすごいことだと思いますよ。
とお答えしました。モールにとっての価格の意味を十分に理解しているからです。
ところがその経営者さんは「実は、以前に価格競争で苦しんでいる、という話を別の方にしたら
『だったら価格を上げれば良いんですよ。40%ぐらい上げたら利益がでますよ』と言われたんです。」
とおっしゃいました。
私は「自分もモール出店経験者だからわかりますが、同じ型番で価格比較がしやすいしくみの中で
価格を上げるというのはかなりの勇気が必要です。だって検索結果で高い値段と安い値段がでたら、
最安値では買わないかもしれませんが、最高値では絶対買いませんからね。
そのなかでよく少しでも価格を上げる決断をされましたね。素晴らしいことだと思います」
と申し上げました。
正論からすれば、利益が少ないのなら販売価格を上げればよい。ということになります。
ただ、モールからの利益がその会社の収益の重要な部分を占めているとした場合、
値上げは売上が壊滅的になる可能性を秘めています。
少ないながらも利益が出ている状態だったらその状況を維持するので精一杯ではないか、
と思います。その方は現在自社ECサイトを構築していてそこで同じ商材ではありますが、
高級路線を追求しようとしています。
そこについては、しっかりと利益を得られる価格にしてくださいね。と申し上げました。
値決めは経営判断の最重要項目の一つですが、店舗運営の中で、出来ることとできないことが
確かにあることも事実です。
差別化しにくい商品で価格を上げたら、一気に売上が下がる可能性が高いです。
売上が下がったら露出機会も下がってしまい、また売上が落ちてしまいます。
この負の連鎖を断ち切るためには価格を下げるしかありません。
でも一旦下がってしまった売上をランキングが下がっている状態で上げることは並大抵のことでは
ありません。ですから、そのリスクと価格引き上げを天秤にかけたときに、価格を上げる、
という決断ができないのは普通のことです。
でもその経営者さんは少しですが価格を上げることに成功しました。
その勇気は本当に素晴らしいと思います。
オリジナル商品では値上げは簡単ではありませんが、この事例ほど難しい分けでもありません。
実際にEC実践会の受講者さんでも、オリジナル商品の値上げを断行して、
売上を落とすどころか上げることに成功した事例もあります。
このように値決めは、その状況によって判断が難しく、正論では判断できないこともあるのです。
その点自社ECサイトでは価値を変える、原料を変える、根拠のあるプレミアム感を出すことで
値上げに成功している事例が数多くあります。
そういう意味では自社ECサイトの方が値決めはしやすいのかもしれません。

ネットショップ運営では「失敗から学ぶこと」が重要

2020年11月2日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営について

■ネットショップ運営では「失敗から学ぶこと」が重要

「自社EC危機脱出」セミナーを定期的に開催させていただいております。
問題発生!危機に陥った店舗は、なぜ、ピンチを脱出できたのか?・
戦略・プロセス・施策事例を大公開!ということで4社から5社の事例を1社1社
深掘りしてお伝えしています。
失敗はしないに超したことはありませんが、10回打席に立てば、7回は最低空振りします。
ファーストリテイリングの柳井さんは、1勝9敗という本を書かれています。
つまりネットショップ運営でも必ず失敗する、ということです。
しかも、その失敗の要因は外部要因である場合も多く、こちらではコントロールできない部分が
多いものです。
先日も新型コロナの影響で業績が落ち込んでしまった経営者とお話をしたのですが、
現在では見事に復活されていて、一回りも二回りもたくましくなっているように感じました。
私自身も「人気ネットショップ店長セキララ奮闘記」で1000万円を4ヶ月間でドブにすてた
失敗経験をそれこそセキララに書かせていただいております。
これらのことを踏まえて「失敗から何を学ぶのか?」「失敗から脱出するにはどうしたらいいのか?」に
ついて考えて見ました。
1)失敗はしていい。致命的な失敗でなければ。
2)できるだけ早めに気づいて修正することが重要
3)何度でも挑戦して「打席」に立つことが重要
4)外部要因の場合、ランチェスター戦略的には「対抗」と「回避」であればほとんどの場合
「回避」を選択する方が失敗を脱出することが可能。「対抗」は消耗戦になるだけ。
5)失敗から脱出した経験は人間をたくましくする
  (失敗した経験がたくましくするわけでは無く、失敗から脱出した経験であるところに注意)
6)失敗したと思ったら、その日は落ち込んで、酒でも飲んで寝てしまう。翌日からまたがんばる。
同じ「気持ちを切り替える」にしても、短時間でも落ち込んだ方が切り替えやすい場合が多い。
気持ちのメリハリは精神衛生上重要。
7)できるだけ人と会って、話し合ったり、意見を聞いたりする。しかし最終的に決断するのは自分自身。
8)失敗要因を分析することも重要だが、成功要因を分析することで「再現性」が生まれるので、なお重要。
危機を脱出できたのなら「脱出要因」も重要な要素。
以上を念頭において、トライしていくのがよいと思います。

ネットショップ運営にはランチェスター戦略が重要な理由

2020年10月25日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営について, ランチェスター経営戦略

■ネットショップ運営では「ランチェスター戦略」が重要な理由

ランチェスター戦略のネットショップ活用という観点においては、
「ビジネス・インパクトが最大化するところにリソースの集中を行う方法」
という経営戦略的なビジネスを俯瞰する考え方と、それとは対極の
「ネットショップの商品バナーの位置を変更することで売上が変わるという事実」
といったような極めて手法的な考え方をミックスさせることが重要なのだ、という結論に達しました。
これは何を意味しているか、と言いますと、経営者が現場を知らないといけない、
経営者が自ら現場で陣頭指揮を執ることの重要性を意味していると考えています。
それこそがランチェスター戦略からの一番の学びに思えました。
「ビジネス・インパクトが最大化するところにリソースの集中を行う方法」については、
1)(新規+リピーター)のセッション数×転換率×客単価=売上
のなかでどこを上げればもっともビジネス・インパクトが大きいか?を考えてリソースを投入する、
ということです。
たとえば、ビッグキーワードで1位になっているページの転換率を0.02%から0.23%に上げることに
成功したのですが、そのページからの売上は月に5万円から100万円にアップしたのです。
2)一方で、「ネットショップの商品バナーの位置を変更することで売上が変わるという事実」
については、ファッションジャンルのネットショップで、夏の終わり頃、それまで暑かった日が
続いていたのですが、急に涼しくなってきたとき、Tシャツがファーストビューにあったのですが、
それをカーディガンに変更したところ売上が6万円ぐらいアップしたのです。
このお店は日商が25万円ぐらいだったので24%も売上がアップしたことになります。
これは、このショップが元々実店舗のファッションショップを運営していて、実店舗ではその日の天候や
気温によって店内の商品配置を細かく変えていたので、それをそのままネットショップにも
応用しただけだとおっしゃっていました。
このように1日1日の売上アップの積み上げが大きな売上の土台になるわけです。
そういう意味ではこれらの細かい作業の積み重ねが基礎の売上を支えているとも言えると思います。
土台の売上の積み重ねと、大きなインパクトのある施策、実は売上を上げているネットショップは全て、
と言っていいほど、こういった両方のバランスをしっかりとって運営しているのです。
ポイントは、経営者が、その両方に目が行き届くか?というところです。
それには現場を理解して、常に現場を見て、お客様を見ていなければわからないのです。
経営者が社長室でふんぞり返っている会社はそれができません。
ランチェスター戦略はそのことを教えてくれているのだと思います。

ネットショップ視野の狭さに注意しよう

2020年10月18日| Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営のコツ

■ネットショップ運営では「視野の狭さ」に注意しよう

私の事例で恐縮ですが、以前、楽天市場で紅茶とスイーツを販売していたときのことです。
当初100gのパックで1000円で販売していました。
売上をもっと上げようとしたときに、2003年ぐらいの話ですが、楽天市場には「共同購入」
という購入者が増えれば増えるだけ価格が安くなる、という仕組みの販売方法がありました。
そこで共同購入の仕組みを活用して紅茶を販売することにしました。
多段階で設定が出来たため、2段階ぐらいで価格を設定することにしました。
たとえば当初100人の購入者が出た段階で5%引きの950円に価格が下がるようにしました。
150人を越えたら、さらに値引きをすることになります。
仕方が無いのでさらに5%値引きして900円で販売することにしました。
特に紅茶の新茶という触れ込みだったこともあり、すぐに150人以上の購入になりました。
しかし、これを数回繰り返していくと、段々とユーザーもその価格感になれてきてしまいます。
そこで、もう1段階の購入を目指して、200人以上購入してくれたら、850円になるように
3段階で設定しました。
そのうち、100gが800円台がデフォルトになってきたところで「ハッと」我に返りました。
そして様々な紅茶屋さんの価格をチェックしていきました。
すると楽天市場内では、私のような販売方式で価格がどんどん下がってきていたのですが、
実店舗のたとえば有名紅茶店に入店して、価格をチェックしてみると、同じスリランカの紅茶が、
120gで2000円で販売されていたのです。
それで、その紅茶店にはひっきりなしにお客様が立ち寄られ、その2000円の紅茶をどんどん購入
していました。私は楽天市場だけを見ていて、紅茶ジャンルに限らず、他のジャンルのショップも
どんどん値下げをしたり、オークションで1円入札からスタートしていて、低価格で落札されているのを
見て、それが当たり前になってしまっていたのです。
しかし、実際に視野を広げて、実店舗を見てみると、2倍以上の価格で普通に売られていたのです。
それ以降、定価でしか販売しないようにしましたが、一時的には売上は下がりましたが、途中から、
シフォンケーキと紅茶のセットや、スコーンと紅茶のセット等、紅茶とスイーツの「ペアリング」を
提案する形にしたところ、1台4900円のシフォンケーキも紅茶とのセットで売れるようになりました。
あるとき、ネットショップの集まりがあり、参加すると「私もシフォンケーキを販売しています」
という方が挨拶にこられました。ところが、はなから戦闘モードでした。
「おたくのシフォンケーキを見させていただいています。めちゃくちゃ高額で販売していますよね。」
とあたかも、ぼったくり価格であるかのように、吐き捨てるようにおっしゃいました。
おそらくその方はモールでは価格競争になっているので、低価格でしか販売できず、
当店が通常のシフォンケーキの2倍以上の価格で販売していて、それが売れていたのが気に入らなかった
のでしょう。でもそのシフォンケーキは無添加で、良い和栗をふんだんに使ったシフォンケーキ
だったので、それだけ高くなってしまったのです。
それでも、たくさん売れていました。これまでのように共同購入だけで低価格で販売していたら、
おそらくそのシフォンケーキはその価格では売れなかったと思います。
価格だけで勝負せずに、しっかりと商品の価値を伝えた結果、その価格でも購入していただけたのだと
思います。
モールだけに視点を持っていくのでは無く、ネットショップ全般を、いや、実店舗にまで視野を広げて、
リサーチすることによって、自分たちがいかに狭い視野になっていたかを確認する事例となりました。

EC担当者に必要な数字は3つある

2020年10月11日| Webマーケティング, You Tube

■EC担当者に必要な数字は3つある

EC担当者は、常に数字と向き合っていますが、特に重要な数字は3つあります。
それは「アカウンティング」と「分析」と「マーケティング」に対する数字です。
アカウンティングに対する数字とは、損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書と
いった財務諸表の数字を理解して、経営判断に活用することを指します。
また今の財務会計的な数字以外にも、管理会計の観点から変動費や固定費、損益分岐点等を
しっかり把握して経営を行うことが重要となります。
分析に対する数字とは、Google Analyticsの数字を見てセッション数が増えた減ったという現象だけを
追うだけでは分析とは言えません。
たとえばorganicからのセッション数が増えた場合、SEOについて定点チェックしていれば
ターゲットキーワードの検索順位がどの程度上がっているか?を把握してその要因を明確にして
他のキーワードでの検索順位を上げる手がかりにすることができます。
また、ビッグキーワードで検索順位が高いにも関わらず、転換率が低いページの改善を行うことで、
そのページの転換率がアップして、実際に月商で100万円上がったケースもあります。
このようなビジネス・インパクトの大きい改善を行う手がかりとして数字を分析することが重要です。
マーケティングに対する数字に関しては、市場規模とターゲティング等を考えて評価、判断する
必要があります。多くの流通量があるからといって、その商品が自身のネットショップの
ターゲットに刺さるかどうか?を判断する必要があります。
たとえば同じカテゴリの商品でスーパー等で流通している商品と百貨店で流通している商品を
比較した場合、当然スーパーで流通している商品の方が数量は多く流通していると思います。
しかし、百貨店で流通している商品の方が客単価が高い場合が多く、高級品だった場合、
流通量だけで取り扱い商品を判断するのは早計です。
実際にご自身のネットショップのターゲットがスーパーで買い物をするユーザーなのか?
百貨店で買い物をするユーザーなのか?を検討する必要があるのです。
またマーケティングに対する数字としては、広告費の金額も重要な指標です。
通常広告費は売上目標の5~7%程度を目安にしていただいていますが、
これは一般的な指標にすぎません。
たとえば粗利益が高いか低いか、リピート性が高い商品か低い商品か?によっても
変わってくることになります。
粗利益が高くてリピート性が高い商品、たとえば美容関連やサプリといった商品の場合は
CPAがある程度高くても新規獲得からリピート利用への引き上げの仕組みが出来上がっている場合は、
ビジネスとして成立します。
しかし同じやり方を粗利益が低くてリピート性が低い商材を販売しているネットショップが成功している
店舗の事例だからといってマネしてしまうと、全くビジネスとして成立しなくなってしまいます。
この場合、その事業のコスト構造と収益構造(ビジネスモデル)をしっかりと分析して
設計することが重要となります。