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ネットショップ システム開発はスクラッチ?SaaSの活用?

2020年5月24日|Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営のコツ

「ネットショップ「勝利の法則」 ランチェスター戦略」(マイナビ出版刊)

■「ネットショップ システム開発はスクラッチ?SaaSの活用?」

ネットショップ、特に自社ECサイトを運営していこうと思ったときにまっ先にぶつかる問題が
「ショッピングカート等のシステムをどうするか?」ということです。
具体的には、スクラッチ開発にするか?SaaSを活用するか?という選択肢になります。
ちなみに「SaaS」は「Software as a Service」の略で、「サース」と呼びます。
ベンダーさんが提供するクラウドサーバーにあるソフトウェアを、インターネット経由して
ユーザーが利用できるサービスのことを指します。
(似た言葉に「ASP」というのがありますが、「SaaS」は提供されるソフトウェアを、
「ASP」はサービスを提供する事業者やビジネスモデルのことを言うようです)
「SaaS」のメリットやデメリットをまとめてみました。
1)ソフトウェアの開発不要で、導入コストが安い
ソフトウェアの開発が必要無いので、ソフトウェアの開発費用や、導入への準備期間も短期間ですみます。
そのため導入コストを大きく軽減できます。
2)ユーザー側の管理が不要、ランニングコストが安い
最新バージョンへの更新やセキュリティ対策など、すべてベンダーさん側によるバージョンアップで
対応できるのでランニングコストを低くおさえることができます。
スクラッチ開発は、この部分に費用と手間がかかることになります。
3)ソフトウェアのカスタマイズ自由度が低い
一方、デメリットとしては、ソフトウェアの機能が限定されてしまいます。
基本的にソフトウェアのカスタマイズには制約があり、ベンダーさん提供範囲外のサービスは
利用できません。自社の業務に最適のサービスが見つからない場合、提供されるサービスに合わせて、
運用や業務形態を変更・最適化する必要が出てきます。
スクラッチ開発ですと、コストの制約はありますが、基本的に自社の業務に最適のサービスを
実現することが可能です。

ここでEC実践会としての考え方をお伝えいたします。
それは「資産特殊性」を考慮に入れて判断する、ということです。
「資産特殊制」というのは「取引費用理論(TCE)」の要素の一つで、「取引費用理論(TCE」とは、
企業のあり方は「取引コスト」で決まる、という考え方です。
企業間の取引で発生するコストを最小化する形態、ガバナンスを見出すのが目的で考え出されたものです。
「取引費用理論(TCE)」の要素には
1)不測事態の予見困難性
2)取引の複雑性
3)資産特殊性
の3つがあります。
3)資産特殊性とは、2社のビジネス関係において一方の企業のビジネスに不可欠な
「特殊な資産・技術・ノウハウ・経営資源」などがもう一方の企業に蓄積されることを指し、
それが発注側に大きな不利益と多大なコスト増の可能性を示唆しています。
ITアウトソーシングをITベンダーに外注するときは、社内の様々な情報をベンダーに提供する必要が
あります。ITシステムはそのクライアント企業・事業部向けにカスタマイズされることも多く、
中身は複雑でクライアント企業だけでハンドリングできるものではありません。そのため、数年経過して、
クライアント企業がシステムを更新したい時、たとえば数年前でいうとスマホ対応の必要がでてきたり、
決済方法を多用に対応しないといけなくなったり、セキュリティの問題も出てきたりします。
それらの対応に、そのベンダーに見積もりを出してもらうと、前回よりもはるかに高い金額を
要求されてしまいます。
金額にビックリして他のベンダーに切り替えようとしても、すでに社内の重要情報が当該ベンダーに
蓄積されていて、そのベンダーによってカスタマイズされた複雑なITシステムが組み込まれているため、
他者がでを出せない状態になってしまっていることが多いのです。結果的にそのベンダーに
高い金額を払って、再発注せざるを得なくなる状態が散見されます。
こういったことを加味してショッピングカート等のシステムを検討する必要があると考えています。