ランチェスター法則による社長のリーダーシップ
経営の実行段階で、最後に力を発揮するのがリーダーシップ。
従業員の人数は同じであってもリーダーシップで大きな差が。
社長のリーダーシップ力が強くなると従業員が意欲的に働くようになるので、従業員の人数は同じであったとしても、経営力が2割も3割も強くなります。こうなれば業績の向上に大いにプラスになります。つまりリーダーシップは社長が研究すべき経営課題の中で、最後のテーマになるのです。
リーダーシップに関しては、何冊もの本が出版されています。しかしリーダーシップは身近なテーマである割に、中心部は形がなくてつかみどころがありません。これが原因でほとんどの本や講演で説明されるものは、リーダーシップを構成している中心的な要素がはっきりせず、ダラダラと説明されています。
仮にリーダーシップを構成している要因をいくつか示したとしても、どの項目が何%を占めているかなど「ウエイト付」をしていないので、どれが1番重要であるかよく解かりません。これは中小企業の社長がリーダーシップ力を高めたいと考えて研究に取り組んだとしても、成果が出ないままになってしまいます。
1.リーダーシップを構成する「中心的な要因」をはっきりさせる
社長がリーダーシップを高めるにはまず初めに、リーダーシップを構成する「中心的な要因」をはっきりさせておかなければなりません。これに役立つのが日本で最初に研究された、九州大学のPMリーダーシップ理論です。従業員100人以下の社長の場合は、中心となる要因が「3つ」あります。
まず1つ目は、自分が経営している会社の業績をなんとしても良くしたいという願望や熱意、それに自分の戦略実力を高めて立派な社長になりたいという向上心になります。
2つ目は、社長が責任を持って担当すべき役目のレベルを高める、仕事遂行能力になります。
3つ目は、従業員と人間関係を良くする人間関係能力になります。
2.各要因のウエイト付が必要
このあとは中心的な要因になる3つが、それぞれどれ位の比散るを占めているか「ウエイト付」をすることになります。各要因のウエイトが解ると、最もウエイトが高いものかた解決する「重点主義」が実行できるので、社長がリーダーシップ力を高めるときにとても役立ちます。
3.リーダーシップを構成する中心的な要因のレベルの高め方
このように基本的な原則を解決したあと、リーダーシップを構成する中心的な要因のレベルの高め方を考えます。このときにランチェスター法則の研究から出てきた、強者の戦略ルールと弱者の戦略ルールがとても役立ちます。こうしたあと、ベンジャミン・フランクリンが考え出した「習慣化の定着法」を応用して実行に移ると、社長のリーダーシップ力が高まります。こうなると従業員のヤル気が出るばかりか自発性も高まるので、業績の向上に役立ちます。
日本で開発されたP・Mリーダーシップとランチェスター法則が合体した、従業員100人以下専用の教材。従業員のヤル気の大本は社長自身にある。
第1章 リーダーシップの歴史と基本原則
- リーダーの実力で変わる部下の仕事量
- 逆転型のトラブル企業
- ホーソン工場の作業能率向上実験
- ミシガン大学の作業能率研究
- 日本におけるリーダーシップの研究
- PMリーダーシップのチェックリスト
- 自己評価と部下評価に大きなズレが発生
- 社長のリーダーシップを構成する要因とウエイト付
第2章 経営に対する願望と熱意及び仕事達成能力の高め方
- 現状を分析して経営内容の実態を知る
- 社長は経営に対する願望や熱意を高める
- 社長は朝型を中心に仕事時間を長くする
- 経営を構成する大事な要因をはっきりさせる
- 利益性の原則をはっきりさせる
- 力を入れて取り組む重点目標をはっきり決める
- 戦略と戦術の違いをはっきりさせる
- ランチェスター法則をマスターする
- 社長は経営の8大戦略をマスターする
- 社長は従業員教育に力を入れる
- 従業員の人数で変わる社長の役目を理解する
第3章 人間関係能力の高め方
- 朝の挨拶は社長が先にする
- 従業員が良い仕事をしたらほめる
- 従業員の家庭生活や人生の生き方に関心を示す
- 仕事の改善では従業員の意見を聞く
- 従業員を公平に扱う
- 社長は公私混同をせず自分を例外にしない
- 従業員に文句をいうときは原因をはっきり指摘する
- 社長は従業員に対して「げた・ぞうり議論」をふっかけない
- 従業員と交わした約束は必ず守る
- ポアソン分布に打ち負かされない
- 社長には性悪説的行動と性善説的行動の使い分けがいる
- 実行の定着はフランクリンの自己啓発法で