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物流や内部業務の内製・外製の意思決定(3)

2020年9月20日|Webマーケティング, You Tube, ネットショップ運営について

「ネットショップ「勝利の法則」 ランチェスター戦略」(マイナビ出版刊)

■ネットショップ 物流や内部業務の内製・外製の意思決定(3)

ネットショップにおいて、バリューチェーンでボトルネックが発生する可能性があるのが
「在庫・出荷」の部分です。
ここを内製化するか、外製(外注・アウトソーシング)するかの判断は非常に難しく、
これまでEC実践会でも多くの店舗さんが苦労されてきました。
ここではその意思決定の判断材料となればと考え、いくつかの事例をご紹介させていただいます。
この意思決定には正直、正解は存在しないと思います。
今回もフレームワークを紹介させていただきますが、かならずどちらを選択したにしても不測の事態が
発生するため、予測が不可能だからです。

<フレームワーク>
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内製/外製の判断は、「オペレーション」と「経営戦略」の2軸で考えるとわかりやすい
●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?
●経営戦略の観点から考える
この業務は会社にとって、コア・コンピタンスか?
——————————————————-
型番検索型セレクトショップの
在庫・検品・出荷

●オペレーションの観点から考えると
外部と内部でどちらがValue(コスト・スピード・正確性等)
が高く出せるか?

1)手書きのメッセージの同梱物を重視、ユーザーからも評判がよかったため、
継続できることが前提条件だった。
2)商品点数が数万点あり、オペレーション的にアウトソーシングできるか疑問。
以上の理由から当初は、内製を選択。
ところが、売上が当初の数倍規模で増加。とても現状のスペースと人員では対応できないことが判明。
いろいろ検討した結果、アウトソーシングを決断。
(1)に関しては、当初から名前だけを手書きにしていたので、名前無しで手書きの印刷物を
同梱することにした。
(2)システム導入によって対応可能。POSの導入。
(3)全体的に人件費の増額分、倉庫スペース、作業スペースの増床分を考慮するとコストは
アウトソーシングした方が下がると試算。

●経営戦略の観点から考える
コア・コンピタンスか?

セレクトショップのため、コア・コンピタンスとしては、品揃えとリピーターに対するサポートを
重視していたが、システム化によって同等のサービスが提供できると予測。
アウトソーシングに踏みきった。

【結果】数年でアウトソーシング→内製化に戻した。
(1)やはり手書きの名前入りメッセージの方がリピート率がUPすることが判明。
(2)アウトソーシングから内製に戻すときに倉庫をかなり大きく増築。ところが、外注先の倉庫から
在庫を戻してみると、見込みよりも相当数、多い量が入荷した。
この結果、在庫は目視しないと実態がつかめないことを認識。(非常に重要な指摘)
(3)アウトソーシングしてもコストは全く変わらなかったことは誤算だったが、アウトソーシング先で
使っていた受注在庫管理システムは非常に使い勝手がよかったため、内製化したときにも同じシステムを
使用することにした。この点はアウトソーシングしたメリットと考えています。
オペレーションのことを外製と内製を両方経験することでかなり深く理解することができたことは収穫。
在庫が増えた原因の一つである発注についても
・発注点の明確化
・交叉比率を活用したキャッシュを生まない在庫の一掃
等を実施したため、現在では安定した在庫、運営を実現。