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ランチェスター戦略の勘違い「接近戦」の勘違い

2021年1月26日|Webマーケティング, You Tube, ランチェスター経営戦略

「ネットショップ「勝利の法則」 ランチェスター戦略」(マイナビ出版刊)

■ランチェスター戦略の勘違い「接近戦」の勘違い

セミナーやEC実践会では、ネットショップにおける接近戦について、メルマガ、電話等による
ユーザーと直接コミュニケーションを図る接近戦と、小売店への卸しを通じて、
多くの店舗に商品を陳列したり、テレビ出演、雑誌への記事掲載やソーシャルメディアの
インフルエンサー活用によって知名度を高める接近戦を説明しています。
これらは、商品を購入、使用するターゲットにダイレクトに商品のことを伝える効果があります。

知り合いのジュエリー販売ネットショップさんと話をしたときに、
「注文者の名前を見るとほとんどが男性だったので、女性へのプレゼントに利用しているのだな、
と思い、男性がターゲットだと判断。男性向けに高級感のあるサイトに変更したそうです。
ところがリニューアル後、売上が落ちてしまったそうなのです。そこでお客様にヒアリングをしたところ、
実は、ネットショップを利用しているのは、女性で、サイトを見てジュエリーを決めたら、
相手の男性に「あなた、これを買いなさい」とURLを男性に送信して、
その商品を男性は言われた通りに決済していたそうなのです。
つまり、商品購入の決定権者は女性で、男性はただ決済をしていただけだったのです。

これはリアルの営業でも同じことが言えます。
私も大学を卒業してから2年半印刷会社の営業をやっていましたが、同じ営業でも売上の高い営業と
そうでない営業がはっきりと分かれていました。
もちろんやる気や努力も大事ですが、同じように努力しているのですが、
片方は新規受注や既存客受注をどんどん取ってくるのに、もう片方はさっぱり、ということも
よくありました。その違いはなにかというと「決定権者と話が出来ているかどうか?」だったのです。
売っている人は常に決定権者と商談をしていて、話がまとまると受注に直結していました。
売れない方は、担当者レベルの方と一生懸命打ち合わせしていましたが、
「では後日検討させていただきます」となり、その担当者は、専門家では無いので、
うまく上司の決定権者にプレゼンが出来ず、失注する繰り返しだったのです。
誰でもかれでも接近戦が良いわけではありません。お客に選ばれるためには、決定権者との関係性が
重要だということがご理解いただけたことと思います。
この「決定権者」のことを「DMU(Decision Making Unit)」と呼びます。
顧客の意思決定単位=顧客の意思決定者、または意思決定関与者のことをいいます。
●決裁権限で意思決定関与者(DMU)は縦に増加
比較的単純な意思決定構造、例えば、「1万円の備品購入」であれば、直属上司に
「これ購入してよいですか?」と確認することになります。
つまり、「DMUは、自分以外に1名の関与者、合計2名」です。
しかし、金額が大きいものを購入する場合は、「上司の上司」を説得しなければいけません。
例えば、決裁権限が「課長:20万円まで」「部長:200万円まで」となっていたと
すると、50万円の決裁稟議であれば、担当者→課長→部長とDMUの構造は3段階になります。
●意思決定関与者(DMU)は横にも増加
この場合、「縦方向」だけでなく「横方向」にもDMUが増える場合が多いです。
部長決裁であれば、自部門の課長だけでなく、稟議書を上げる前に影響がありそうな部門の
関係者にも確認を取っておく必要があります。
いくら接近戦でお客様と接点を持っても、「DMU」を意識した営業ができているかどうか?
「DMU」を意識した店舗設計、店舗運営になっているかどうかを再度チェックしてみるとよいと思います。